新幹線「500系」デビュー前に試乗会(1997)中国の鉄道関係者の姿も「我々は日・独・仏の高速鉄道を研究している」【新幹線・東京~博多全通50周年㉑】
新大阪に向けて動き出した、デビュー前の500系。筆者は映像の中で一瞬映った、JR西日本岡山支社の屋上に掲げられた「300系のぞみ」の看板を見逃しませんでした【画像(4)】。時代の移り変わりを感じさせる1ショットです。 この当時と言えば、フランスでは既にTGVが500系と同じ時速300キロの営業運転をしていて、さらに中国やイタリアなどでも鉄道の高速化が計画されていた頃でした。 その中国もイタリアも、今や「超高速列車天国」となっていて、イタリアの「フレッチャロッサ」は営業時速360キロ、中国の新幹線「復興号」も350キロ運転をしているそうです。 とはいえ、まだ1997年というと、皆さん自国ではフランス以外では未経験の「時速300キロ運転」。 その時速300キロに、岡山駅を出発してわずか10分ほどで到達しました。皆さん、どう?どねぇなん?!笹岡アナがインタビューを敢行していました。 ■中国の鉄道関係者「中国には特殊な鉄道事情がある」 (フランスから) 「旅行者の観点から見ると、時速300キロでも旅行者の快適性は、今とさほど変わらない印象です」 当時の翻訳テロップがRSK映像ライブラリーには残っていなかったので、音声をGoogle翻訳に掛けてみたところ、こんな答えになりました。自国・フランスの時速300キロと比較したのかしていないのか、その微妙なニュアンスを知りたいところです。 そして注目は、中国の鉄道関係者の方のコメントです。 (中国の鉄道関係者) 「中国の高速鉄道には、中国独自の特殊事情がある。そこで私たちは日本・ドイツ・フランスの様々な高速鉄道について、研究を行っている」 結果として、いま日本・ドイツの新幹線と似たタイプの新幹線が走っている、その布石のように感じられました。でも「500系」のような新幹線は、結果として中国ではデビューしませんでしたね(私の知る限りですが)。 新大阪~博多間がそれまでより17分早い2時間17分で結ぶこととなる「500系」のぞみのデビュー。ちなみにこの9日後の営業開始を前に、予約はいっぱいだったそうです。。。そりゃそうでしょうね。