「史上最大級の難破船のお宝」5選、金銀財宝や象牙を大量に発見、いったいいくらになる?
豪華なドレスや希少な陶磁器も、スペインのガレオン船から南宋の貿易船まで
金銀財宝から希少な陶磁器まで、海底に眠る難破船から発見された貴重品の数々は、ときに数十億ドル(数千億円)もの価値を記録し、世界中で人々の想像力をかきたててきた。富を求めて大海にくりだす冒険者たちを突き動かしてきたのは、こうした財宝だった。 ギャラリー:「史上最大級の難破船のお宝」5選 写真と画像7点 これまでに発見されたものの中から、史上最大級の難破船の財宝をいくつか紹介しよう。 ただし、現在ではこれら古物の所有者に関するルールははるかに複雑になっている。考古学者や地方当局の間には、略奪者が古く朽ちた船の繊細な構造を壊してしまうのではないかという深刻な懸念がある。あるいは、遺物を個人に売ってしまうかもしれない。 そうすると、一般の人々が遺物の展示を見たり、歴史を学んだりする機会が奪われてしまう。だからこそ、考古学者や海洋法の執行機関は、こうした壊れやすい文化遺産を保護しようとしている。以下の例を見れば、所有権が争われる理由と、海底遺跡を保護すべき理由をわかってもらえることだろう。
サンホセ号、コロンビア沖カリブ海
しばしば「世界一高価な」難破船と呼ばれるスペイン海軍のガレオン船サンホセ号は、1708年に英国軍艦との戦闘中に沈没した際、最大200トンの金、銀、未カットの宝石を積んでいた。 この船の財宝の推定額は、数十億ドルから200億ドル(数千億~約3兆円)以上まで幅がある。1982年に沈没船を発見したと主張する米国のサルベージ(引き揚げ)会社や、2015年に別の地点でこの沈没船を発見したと主張するコロンビア、300年前と同じように今も船を所有していると主張するスペイン、船に積まれていた銀の多くを採掘する際、祖先が強制的に労働させられたというボリビアの先住民グループなど、多くの関係者が沈没船の所有権を主張している。 財宝の真価にかかわらず、コロンビアの法律ではすべての遺物は売却できないと定められている。サンホセ号とその財宝はいまだ海の底にあり、遺物はそこにあるのが最も安全だと考える考古学者もいる。