【明日の金ロー】単なる怪獣映画ではない! シリーズファンも”初心者”も楽しめる「ゴジラ―1・0」
11月1日の金曜ロードショー(後9時)は、昨年公開されて興行収入76億・5億円の大ヒットとなり、今年3月に発表された米アカデミー賞では日本映画初となる視覚効果賞を受賞した「ゴジラ―1・0」が早くも登場。もちろん地上波では初放送、枠を35分拡大して本編ノーカットで放送する。 物語の始まりは第二次大戦末期、特攻隊として出撃した敷島少尉(神木隆之介)は、不時着した大戸島で基地を襲撃した巨大生物と遭遇する。島の人間が「呉爾羅(ゴジラ)」と呼ぶその生物によって基地は壊滅し、敷島は戦友を救えなかった後悔を抱えながら終戦を迎える。 東京に戻った敷島は大石典子(浜辺美波)と出会い、徐々に平穏な日々を取り戻しつつあった。そんなある日、銀座に再びゴジラが出現。敷島は戦後処理で共に働いていた秋津(佐々木蔵之介)、野田(吉岡秀隆)らと共にゴジラに立ち向かう―。 本作がヒットした要因は「ゴジラ好きな人も、過去のシリーズをよく知らない人も、どちらも楽しめる作品」だったことだろう。メガホンを執った山崎貴監督も、今回の放送に向けて寄せたメッセージの中で「怪獣映画だからって食わず嫌いしていた人達にも、是非観てほしい」と話しているように、「本作が『ゴジラ』シリーズ初体験」という人でも十二分に満足できるものになっている。 確かに”怪獣”のゴジラが登場するが、本作のジャンルが「怪獣映画なのか?」と聞かれれば、必ずしも「イエス」と答える人ばかりではないだろう。記者はどちらかといえば「戦争映画」として見たし、「ラブストーリー」と言う人もいるかもしれない。 一方で、シリーズのファンにとっては、初代「ゴジラ」へのオマージュを楽しめる作品にもなっている。時代設定としては、「ゴジラ」が公開年と同じ1954年なので、本作の方が10年近く前の話ということになるのだが、ゴジラが初めて登場する島は同じ大戸島。つまり、本作の襲撃があったから「ゴジラ」で島を襲った「何者か」がゴジラであることが分かる。 また、ゴジラが銀座に上陸するのも両作品の共通点。現在は有楽町マリオンが建っている場所にかつてあった「日劇」こと「日本劇場」が、どちらの作品でも壊されてしまう。さらに、ネタバレとなるので詳細は避けるが、本作でのゴジラとの”最終決戦”で用いられる「わだつみ(日本神話の『海の神』)作戦」は、「ゴジラ」での戦いをほうふつさせるものとなっている。(高柳 哲人)
報知新聞社