「早めに相続について話しておいた方がいい」と言いますがうちの親が保有している資産を知りません。調べる方法はあるのでしょうか?
相続はお金が関係してくるので、たとえ親族間であってもトラブルになることも珍しくありません。そのため、もめごとにならないように、「両親が元気なうちに早めに相談しておいたほうがよい」と言われることも多いです。 しかし、そもそも両親と相続について話をすることを、ためらってしまう人もいるのではないでしょうか。そこで、本記事では自分の両親の資産を大まかに把握するための方法について紹介します。
2024年1月から生前贈与や相続税に関する税制改正が行われている
世間的にあまり大きな注目は集めてはいませんが、実は2024年1月から生前贈与や相続税に関するルールが変わっています。 変更点には生前贈与の加算対象期間が3年から7年に延長されるなどがあり、どちらかというとこれまでよりも厳しい制度になりました。 しかし、そもそも相続税には「3000万円+600万円×法定相続人」という非課税枠があるので、ほとんどの人は対象になりません。 とはいえ、相続する資産がある人が亡くなった場合、その資産を巡った相続トラブルが後を絶たないのも事実です。そのため、相続税がかかるかどうかにかかわらず、基本的には両親と相続について早めに話し合っておくほうがよいでしょう。 ただし、相続は両親が亡くなったときの話なので、実際には話題に挙げるのをためらってしまう人も多いようです。三菱UFJ銀行が行った「家族のじかんと相続に関する実態調査」によると、年末年始に親元に帰省する人のうち、親と話す話題で最も多いのは仕事や結婚、趣味などが含まれる近況報告(74.5%)でした。 一方、相続などのお金回りの話題をすると答えた人はわずか5.3%しかいません。また、株式会社アシロの調査では、相続経験者のうち5人に1人がトラブルに遭うという結果も出ています。 そのことを踏まえても、特に相続人が複数いる世帯ではできるだけ親と相続について話し合うように努力したほうがよいでしょう。
親の資産を調べる方法
親とお金の話をするときは、まずどのような資産があるのかを教えてもらうとよいでしょう。相続財産には主に、銀行などに預けてある預金、株や投資信託、保険といった金融商品、土地や建物といった不動産があります。 銀行預金については通帳を確認しましょう。その際は、どの銀行に口座があるかはもちろん、定期預金なども含めた金額をチェックしておくことが大切です。次に株や投資信託については、利用している証券会社や金融機関などから定期的に送られてくる取引明細をチェックする方法があります。 ただし、銀行預金や保険も含めて近年はペーパーレス化が進んでいるため、取引明細を郵送ではなくメールやオンライン上でしか確認できないような仕様になっている金融機関も少なくありません。 相続の話をするときは、万が一のことを考えて、それらの会社のホームページにログインするためのIDやパスワードなども聞いておくとよいです。最後に不動産については、登記情報や4~5月頃に市町村から送られてくる固定資産税の課税明細書などで確認できます。 なお、相続財産には預金などのプラスの資産だけでなく、借入金などのマイナスの資産も含まれます。特に消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用している場合は、そこから届く書類でしか分からない場合もあるので、念のため郵便物もチェックしておくほうが無難です。
やはり親と相続の話はしておいたほうが無難
今回紹介したように、親と相続の話はしにくいという人は少なくないでしょう。 とはいえ、万が一のことがあったときに困るのは自分自身です。相続トラブルによって親族との関係にヒビが入ると、いざというときに頼れる人がいなくなるかもしれません。そのようなことにならないように、機会を見つけて親と相続の話をしておくことをおすすめします。 出典 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 家族のじかんと相続に関する実態調査 『そうぞくガイド調べ』(PR Times) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部