湘南のRIZAP資金10億円の使い方
耳覚えのいい「結果にコミットする」というキャッチフレーズ。そして、著名人を起用したテレビCMとの相乗効果で「健康産業界の風雲児」と呼ばれる存在となったRIZAPグループ株式会社(本社・東京都新宿区、瀬戸健代表取締役社長)が、Jリーグのクラブ経営に乗り出す、という一報が電撃的に駆け巡ったのは今年4月3日の深夜だった。 3日後の同6日には、株式会社湘南ベルマーレの筆頭株主を務めてきた三栄建築設計(本社・東京都新宿区、小池信三代表取締役社長)と、RIZAPグループが合弁会社『株式会社メルディアRIZAP湘南スポーツパートナーズ』を設立。同社が新たにベルマーレの筆頭株主となることが正式発表された。 合弁会社の出資比率は、RIZAPグループの49.95%に対して三栄建築設計が50.05%。しかし、株主間契約によって、ベルマーレはRIZAPグループの連結子会社となった。これによりベルマーレは株式会社フジタが撤退した1999年以来、実に19年ぶりに責任企業となる親会社を持ち、RIZAPグループの全面サポートを受けることになった。 すでに6月上旬から、RIZAPでトレーナーの教育を担当し、自らもアスリートらのトレーナーを務めていた管野翔太氏(30)が「パフォーマンス・アップ・チーフトレーナー」として加入。 すべての選手と個人面談を行い、個々の希望や目標を把握した上で、選手それぞれに合ったトレーニングメニューを提供している。しかし、地道な取り組みの成果が全面的に出てくるのはまだまだ先になるだろう。 RIZAPグループは半年間でベルマーレをどのように変えたのか。あるいは、これから変えていこうとしているのか。 瀬戸社長は、4月の段階で、今後の3年間で10億円以上を投資すると明言。その上で2020年までに[1]J1、天皇杯、YBCルヴァンカップのいずれかのタイトルを獲得する[2]スタジアムの収容率をナンバーワンにする――約束をベルマーレ側と交わしている。 今回のルヴァンカップ初制覇は[1]を2年前倒しにする形で成就させたことになるが、10億円の一部が使われたわけではない。 例えば横浜F・マリノスとの決勝戦では、日本人だけで先発メンバーを形成。ベンチには3人の外国籍選手がスタンバイしていたが、最後までピッチに投入されることはなかった。