『結婚するって、本当ですか』は早見沙織の真骨頂 “不器用な偽装夫婦”の演技が映える
アニメ『結婚するって、本当ですか』ラストシーン、原作コミックスとの違いは?
かりそめの夫婦関係を終わらせる2人が、結婚なんて大変なだけなのだと互いに話しつつ粛々と部屋のゴミを捨て、また普通の会社同僚に戻って別れていく。1人の帰り道、リカの目からは喪失感と共に一筋の涙が流れる。原作漫画では1コマで描写される彼女の泣き顔は、TVアニメでは涙がとめどなく溢れ続ける描写となり、静かな夜道にコツコツ響くヒールの音と共に、リカの哀しみをより深く表現した。本当はタクヤとの生活がとても楽く、失いたくなかったのだと。 タクヤはそんな彼女の後を追い、結婚の意志を伝える。大声で「結婚しても良いですか!」と互いに叫ぶ愉快なプロポーズ(?)もまた、タクヤ役の熊谷健太郎と早見の演技が乗ってさらに楽しく、さらに感動的な仕上がりだ。こうして偽の夫婦は本当の夫婦になり、TVアニメは原作漫画の切りの良いところで終わっているが、連載でいうと第50話まで。原作の最終回は第110話なので、実はまだ道なかばという辺り。2人の行く末がどうなるのか気になる視聴者は、第51話以降を収録したコミックスの第6巻から読んでみよう。原作第85話から第87話にかけて2人の身に起こる、ある“大事件”も映像で観たいので、TVアニメ第2期に期待をかけたい。
のざわよしのり