【MLB】大谷翔平の通訳・水原一平氏はなぜドジャースを解雇されたのか? MLB関係者のスポーツ賭博は違法なのか?
MLBロサンゼルス・ドジャースは3月20日(水)、大谷翔平の資金を「巨額に窃盗」し、スポーツ賭博に使った疑いがあるとして、長年にわたる大谷の友人であり、通訳を務めてきた水原一平氏を解雇したと発表した。 【ハイライト】大谷翔平が2安打1打点1盗塁 8回に一挙4得点でドジャースがパドレスに逆転勝利|MLB 2024開幕戦 水原氏の解雇は、数百万ドル規模の賭博組織を運営していたことで連邦政府の調査下にある南カリフォルニア在住のマシュー・ボイヤー氏と水原氏の関係について詳細に報じたロサンゼルス・タイムズの記事が出たその日に行われた。広範囲にわたる本調査ではすでに10名以上が告発されており、その中にはドジャースの元選手であるヤシエル・プイグの名前も含まれている。 ボイヤー氏に関する調査の中で大谷の名前が浮上した事実をロサンゼルス・タイムズが発見した段階で、大谷の代理人は水原氏の行動を調査したという。 「メディアからの問い合わせに応じる中で、翔平が巨額の窃盗の被害者となっていることが判明した。我々は本件を当局に引き渡している」とウェストハリウッドのバーク・ベトラー法律事務所は声明を出している。 ここでは、水原氏を取り巻く嫌疑についての最新情報をまとめる。
大谷翔平の通訳者が解雇された理由
大谷がドジャースと超大型契約を結んだ際にチームに加わった水原氏は、20日(水)に韓国で行われたサンディエゴ・パドレスとの開幕戦でもダグアウトに姿を見せていたが、その数時間後に解雇された。 大谷の広報担当者は当初、ESPNの取材に対し、大谷が水原氏の賭博による負債を返済すべく数百万ドルを振り込んだと語り、水原氏にESPNの90分にわたるインタビューを受けさせた、としていた。 「彼(大谷)は明らかに不満そうだったが、二度とこんなことをしないように助けるといってくれました」と水原氏はESPNの取材で語っている。 「そして、私のために(負債を)支払ってくれると決めてくれました」 だが、米国時間水曜の午後、水原氏は自らの発言を撤回。大谷は自分の長年にわたる賭博の負債については何の認識もなかった、と改めてESPNに語った。つまり大谷は、水原氏が賭博で作った負債の返済のためと分かっていて送金したのではない、ということになる。 そして、大谷の広報担当者もまた、水原氏の最初の発言を否定し、大谷の弁護士が追って声明を出すとコメントした。その声明の中で弁護士は、29歳のスーパースターは「巨額の窃盗」の被害者だとしている。 こうなると疑問なのは、ESPNのティシャ・トンプソン記者が報じた、少なくとも450万ドル(約6億7500万円/1ドル150円換算。以下同)が大谷の口座から送金されているという事実をどう理解するか、だ。連邦当局は、ボイヤー氏の賭博組織を調査する中で大谷の口座から送金が行われていたことを発見している。 こうした矛盾が浮上する中、水原氏はESPNに対して、自分の賭博行為について大谷は「全く関与していません」と明確にコメントした。当初は米大手ブックメーカーの『DraftKings』(ドラフトキング)を通じて賭けをしていたが、ボイヤー氏を通じての賭けも合法だと信じていた、と語っている。 ESPNによれば、水原氏は2021年、サンディエゴでポーカーをした際にボイヤー氏と出会い、その後まもなく彼を通じて賭けを行うようになったが、2022年末に負債額は100万ドル(約1億5000万円)を超え、その後も増え続けたという。 「(賭博については)まるでダメ、二度とやりません。一度も勝ったことがないんです」と水原氏は言う。 「自分から穴に落ちて、深みにはまってしまいました。負けから抜け出そうと高額の賭けをして負け続けました。雪だるま式でした」