三菱「パジェロイオ」が160万円~誕生! ファミリー三男坊のコンパクトなSUV【今日は何の日?6月15日】
●パジェロジュニアの弱点を払拭したパジェロイオ
パジェロイオは、パジェロジュニアの反省を生かし、シャシーとボディを専用設計し、パジェロをサイズダウンしたようなダイナミックなスタイリングが採用された。 パワートレインは、当時三菱が訴求していた1.8L直4 GDI(ガソリン筒内噴射)エンジンと電子制御4速ATの組み合わせ。駆動システムには、パジェロの4WDシステムをコンパクトにした“スーパーセレクト4WD-i”を採用。スーパーセレクト4WD-iは、後輪2駆/フルタイム4WD/直結4WD/直結ローレンジ4WDの4つの運転モードを、レバーで選択できるシステムだ。 パジェロイオは、標準仕様160万円(ZX)、ハイグレード187万円(ZR)で販売され、発売後1ヶ月の受注は5800台を超える好調なスタートを切った。当時の大卒初任給は19.6万円程度(現在は約23万円)なので、単純計算で現在の価値では標準仕様が188万円に相当する。 しかし、2000年を過ぎた頃にはRVブームも終焉を告げ、絶好調だったパジェロの勢いも減速。その結果、ファミリーの人気にも陰りが見え始め、パジェロイオは1代限りで国内生産を2007年、パジェロミニは2012年に生産を終えたのだ。 ・・・・・・・ パジェロイオは、パジェロ譲りのオフローダーSUVの雰囲気をもったコンパクトSUVだった。1990年代後半に登場したトヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」のように、もう少しソフトな都会的な雰囲気があれば、もっと人気を維持できていたのかもしれない。 毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
竹村 純