自分よりも姉を慕う息子…伝説のストリッパーが「母親」だったころの忘れられない「記憶」
「清のことは忘れなさい」
次姉は正月などには一時的に、清を引き取っていた。「あたしを母親のように思ってたみたいね」と語っている。一条は私にこう説明した。 「姉さんが清を施設から引き取って、育ててくれた。いつやったか、姉さんにこう言われたことがある。『和子ね、もうあんた親と思わんときや』って。清はあたしのこと、知らんようになっていた。だから思ったの。子どもなんて、もういらんわって」 釜ケ崎を拠点にしたミニコミ誌でのインタビューでも、清について話している。 ---------- 〈私の方は全国巡業でしょう。施設では親の居所が分からないということで、結局2番目の姉が引き取りに来て、それからずっと育ててくれました〉 ---------- ---------- 〈(姉から言われた)もうあんたは清のこと忘れなさい。姉妹の縁も無いものと思いなさい。清が姉を「お母さん」って呼んだのが、忘れられません〉 ----------
小倉 孝保(ノンフィクション作家)