神戸地裁＝神戸市中央区橘通２

　神戸市北区で昨年５月に民家が全焼し、住人の女性＝当時（８７）＝が死亡した火災で、現住建造物等放火の罪に問われた女性の長女である被告（６２）の裁判員裁判の判決公判が１８日、神戸地裁であった。入子光臣裁判長は、懲役５年６月（求刑懲役８年）を言い渡した。 【写真】集合住宅の自宅に放火疑い、19歳作業員の男逮捕　西宮 　判決によると、被告の女は２０２３年５月１８日午後０時半ごろ、母と同居する同区の木造２階建て住宅に何らかの方法で火を放ち、全焼させた。 　入子裁判長は、被告が母からのささいな言葉で自暴自棄になって犯行に及んだとし、「短絡的で身勝手な動機」と非難。弁護側が指摘したアルコールや治療薬などの影響は限定的とし、「相当期間の実刑は避けられない」と述べた。 　兵庫県警神戸北署などによると、女性の死因は急性一酸化炭素中毒だった。同署は被告の女を殺人容疑で追送検したが、地検は今年２月に不起訴処分としていた。