BE:FIRST、Number_i、King & Princeら振付を多数制作 ダンサーチーム“RHt.”が求められる3つの理由
今や日本の有名ダンサーの一人として揺るぎない地位を確立したRIEHATA。2010年にレディー・ガガのバックダンサーを務めたり、2015年にクリス・ブラウンと交流を深めたりと、世界的に有名なアーティストとタッグを組んだことで一気にその名が広がり、BTSやNCTなどのK-POPアーティストやEXILEやKing & Prince、JO1などの国内アーティストの作品を手掛けるまでになった。 【画像】東京ドームを達成したBE:FIRST そんな彼女がプロデュースするダンスチーム・RHt.が今年10周年を迎えた。RHt.は世界大会出場を目指して2014年4月に結成されたチーム。実際、アメリカ・ロサンゼルスで開催されているダンスの世界大会『Body Rock Junior』では2014年、2015年と2年連続で準優勝を収めている。そして現在は、メンバー一人ひとりがダンスシーンで活躍し、存在感を放っている唯一無二のダンス集団だ。 中でも、ReiNa、KAZtheFIRE、KAITAなどはボーイズグループの振付の実績も着実に積み上げ、個人としての知名度もうなぎのぼり。まさに今引っ張りだこのコレオグラファーといったところだろう。 ReiNaの作品で昨今話題になったのは、BE:FIRSTの「Mainstream」と「Masterplan」の振付。BE:FIRSTメンバーのSOTAとコラボして作っており、BE:FIRSTの公式YouTubeチャンネルにアップされているドキュメンタリー動画にも出演していることもあって、これまで以上に多くの注目を集めた。その他にもJO1「HAPPY UNBIRTHDAY」、ZEROBASEONE「ゆらゆら‐運命の花‐」など国内外のボーイズグループの作品を手掛けてきた。昨今でも7月5日にMVが公開された中島健人とキタニタツヤによるGEMNの「ファタール」、7月31日にリリースするSnow Man11thシングル表題曲「BREAKOUT」を手掛けるなど、勢いは止まらない。 KAZtheFIREは国内外の多くのアーティストとタッグを組んだり、アパレルのディレクションをしたり、唯一無二のクリエイティブ力を発揮しているダンサーだ。彼もまた、King & Prince、三代目 J SOUL BROTHERS、Nissy、Stray Kidsと多くのボーイズグループ、男性アーティストの作品を手掛けている。昨今とりわけ注目されたのは、メンバーの和田颯とともに振付をしたDa-iCE「A2Z」、パートごとに3人のダンサーが振付をした「ナイモノネダリ」。さらに、和テイストとヒップホップなど様々な要素が融合されているNumber_iの「BON」で話題になったことも記憶に新しい。しかもKAZtheFIREは自身のSNSで、それらのダンス動画をアップすることも少なくない。そのためファンにまで名前が広がっている。 そんなKAZtheFIREの相方的存在であるのが、KAITAだ。KAITAはKAZtheFIREとのユニット・Dr.SWAGでも多くの振付を手掛けているが、彼個人でもまた多くのボーイズグループの振付を手掛けている。King & Princeの「moooove!!」、BE:FIRST「Milli-Billi」、超特急「Steal a Kiss」、JO1「Test Drive」、WATWING「Shine」、OWV「BREMEN」、Travis Japan「LEVEL UP」……と彼が携わったことがない系統の日本人ボーイズグループはないのではないかと思うほどだ。 このように、3人とも挙げればきりがないほどの実績を持っている。まだ全員20代であるにも関わらず、この輝かしい実績を見ると若い才能を感じざるを得ない。そんな彼らがこれだけ求められる理由はどこにあるのだろうか。 まずは、大前提となるのは「たしかなクオリティがあること」だろう。昨今、グループアーティストの振りはヒップホップが主流だ。RHt.のメンバーは幼少期からヒップホップに慣れ親しんでおり、国内外での実績もある。そんな彼らがクオリティの高い振付を作れるのは言わずもがなであろう。そして、教える側としてのキャリアもあるため、ダンサーレベルほどスキルがないアーティストへの指導もお手の物のはずだ。実際、クリーンに教えられるかどうかで受け手側の理解度も違ってくる。単にハイレベルな振りを考えるだけでなく、こうした細かな部分もケアできるからこそ依頼が寄せられているのだろう。 もう1つは、「振付をするアーティストと年齢が近い」ことを挙げたい。昨今、アーティストとダンサーの境目が近くなってきており、アーティストの中にも元ダンサーだった人も多い。例えば、元世界大会優勝ダンサーという背景を持つBE:FIRST・SOTA。彼は、ReiNaとダンサー時代からの知り合いな上、KAITAとKing & Prince・髙橋海人と幼少期からダンスで切磋琢磨してきた仲だ。こうした深い関係性がもともとなかったとしても、同世代のダンサーであるRHt.のメンバーたちとであれば、アーティストも積極的にセッションをしながら振りを深堀りしていけるのではないだろうか。 そして、「コレオに対する思いを語ってくれる」という点も理由に挙げられそうだ。彼らはInstagramなどのSNSで、どういった意図でコレオを作ったかを語ることも少なくない。例えば、King & Prince「moooove!!」の振付をしたKAITAは、「“王道かつオシャレなハイブリッドHIPHOP”をテーマに“海人の内側から出る熱い情熱パワー”、“廉の持っているクールでしなやかな妖艶さ”、それぞれの違った良さをそのまま引き出せるような作品作りを意識しました。その化学反応で2人のKing & Princeにしかできない新境地を開拓、提示できるような作品ができました。2人の長年積み重ねてきたものがそれぞれ色濃く詰まっているからこそできた作品だと感じています」と投稿している。こうした投稿は、ファンにとってもより深く作品を紐解くヒントになり、楽曲の盛り上がりのきっかけにもなっているはずだ。 もちろん、他にも様々な理由があるだろう。この先も彼らが携わる作品はまだまだでてくるはずだ。そして最近ではダンサー、振付師として以外の活動もし始めているメンバーもいる。10周年を経て、まだまだRHt.の活躍の幅は広がっていきそうだ。
高橋梓