全員野球で初出場 体力自慢の能代松陽が目指すロースコアの勝利 センバツ出場校紹介
初出場の能代松陽(秋田)は、メンバー全員で1点を守り抜く野球を実践して昨秋の東北大会で4強入りし、センバツ初出場をたぐり寄せた。スローガンは「全員野球」。前身の能代商時代から約20年間指揮する工藤明監督は「バッテリーを中心にしっかり守り抜いて、ロースコアで強豪私学と渡り合うのが公立校の戦い方」とチームの戦い方を語る。
練習拠点は農業用ビニールハウス
「5段階評価で体力は5」(工藤監督)と自慢の体力で、チーム全員で戦い抜く「全員野球」を合言葉に日本一を目指す。日本海沿岸の強風で「雪が下から降る」とも言われる能代市で、農業用のビニールハウスを練習拠点に日々鍛錬する。 昨秋の県大会は堅い守備と勝負強い打撃で明桜や由利などを破り、2年連続で優勝した。東北大会は準々決勝で学法石川(福島)に延長戦の末、6―5でサヨナラ勝ち。準決勝の仙台育英戦は1―2で敗れはしたが、敵失を突いて初回に先制するなど、夏の甲子園覇者を相手に接戦を演じた。
昨夏の甲子園を経験したエース右腕、森岡大智(2年)を軸にした堅実な守備が持ち味だ。森岡は184センチの長身から直球と変化球を同じ腕の振りで投げ下ろす。1年時からバッテリーを組む捕手の柴田大翔(2年)とは息も合っている。東北大会準々決勝では延長十二回を投げ抜くなどチームをけん引し、「浮き沈みが少ない」(工藤監督)。 投手陣では、東北大会で昨夏の甲子園覇者、仙台育英を相手に2失点に抑えた斎藤舜介(2年)も控える。斎藤は制球の良さが持ち味で、打たせて取る投球で相手打線を惑わす。
昨夏は初戦敗退「経験生かす」
打線は、昨秋の公式戦のチーム打率は3割を誇り、1年春から公式戦に出る経験豊富な大高有生(2年)を中心に、着実に走者を進めて加点する。チーム一の俊足、淡路建司(2年)は入学時に50メートル走6秒1。毎日計10キロは走るという練習の成果もあり、脚力が磨かれた。昨秋の公式戦の打率が4割を超える森岡や、パワーがある虻川颯汰(2年)、斎藤らが全国の投手陣に挑む。