【Cycle*2024 パリ~ルーベ ファム:レビュー】世界チャンピオンのロッテ・コペッキーが6人のゴールスプリント勝負を制し初優勝
石畳区間は断続的に出現する。ゴールのルーベに近い石畳からセクター1、2、3と数字が振られているので実際のレースではカウントダウンをしながら走ることになる。男子は29からのカウントダウンとなるが、女子は17から。17から1までのコースは男女で同じだ。 翌日に開催される男子は距離259.7kmで、パリ近郊のコンピエーニュをスタートするが、女子は107km地点の近くにあるドナンをスタートする。パリ~ルーベの石畳の象徴であるアランベールはドナンの近くにありすぎて、女子レースではカットされる。大集団でいきなり突入することはさすがに避けたいからだ。難易度5つ星のセクター11モン=サン=ペヴェルとセクター4カルフール・ド・ラルブルが勝負どころとなる。
優勝の最有力は世界チャンピオンの称号である5本の虹色ジャージ、アルカンシエルを着用したコペッキーだ。前週のロンド・ファン・フラーンデレン女子でコペッキーは3連覇を目指したが、序盤の落車もあって優勝のエリーザ・ロンゴボルギーニ(リドル・トレック)から9秒遅れの5位に甘んじた。チームにはスプリントレースのエースであるロレーナ・ウィーベス(オランダ)もいる。
レースは曇天のもとで開始された。コースは出発地のドナンを出ると近郊を小さく2周するが、ここで早くも集団に緊張感がみなぎった。強風が吹き始めたからだ。集団が分断されやすいので、逃してはいけない選手が先行を始める可能性がある。有力選手の頭をよぎったのは2023年のレースだ。序盤の20km地点で抜け出した選手らが最後まで行ってしまい、伏兵ジャクソンがまさかの優勝をさらっている。
緊張が高まり、複数回のクラッシュが発生した。これに巻き込まれたのがジャクソンだ。舗装路のうちに抜け出そうとする選手はいるものの、メイン集団はそうはさせない。30km地点手前で抜け出した選手らはすべて捕えられた。そしてレースはいよいよ石畳区間に突入した。
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