大同特殊鋼がクラウド型材料開発プラットフォーム世界初導入。伊藤忠テクノソリューションズと米ケステック製
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は14日、材料開発で高度な技術を持つQuesTek(ケステック)インターナショナル(本社・米国イリノイ州)との合弁会社、ケステック・ジャパン(本社・東京都港区)がクラウド型材料開発プラットフォーム「ICMD」を大同特殊鋼へ提供したと発表した。ICMDの導入事例は世界初となる。 ICMDは「インテグレイテッド・コンピュテーション・マテリアルズ・デザイン」を略した名称。スペースXやマサチューセッツ工科大学などが初期評価ユーザーで広範なテストを行い、7月からケステックが提供を開始した。 ICMDは材料のモデリングや設計シミュレーションに優れ、高性能な特殊鋼の開発期間短縮や生産時の品質安定性向上などに活用できる。独自の材料モデル、プロセス最適化や特性評価ツールをパッケージ化しており、最小限のデータで要求性能を満たす材料開発や分析が可能。材料設計の幅が広がり、材料候補の選定に要する時間も短縮できる。 ケステック・ジャパンはケステックの素材開発技術とCTCのシミュレーション技術を組み合わせ、2020年2月から合弁事業を開始。材料設計サービスの提供や合金ライセンスの販売を行ってきた。ICMDの販売は9月から開始し、自社でもICMDを活用した材料設計サービスも行っている。 大同特殊鋼では11月にICMDが導入され、ケステック・ジャパンは環境構築やトレーニングを、CTCはシミュレーション支援のための統合型熱力学計算ソフトウェアの導入を担った。今回の導入を機に、日本市場でICMDのさらなる採用拡大に向けた提案を行っていく。