【シンザン記念】多頭数なら逃げ馬狙いが有効 道悪で面白いのはナイトスラッガー
馬場悪化で光り輝くナイトスラッガー
2つ目のデータは馬体重について。過去10年の傾向を見てみる。20kg刻みで複勝率や勝ち馬の数をみても、下記のように馬体重が重くても軽くてもほぼ変わらない、見事に分散した結果となっている。 419kg以下 複勝率0%・0勝 420~439kg 複勝率21.4%・2勝 440~459kg 複勝率20.8%・3勝 460~479kg 複勝率23.5%・2勝 480~499kg 複勝率18.2%・1勝 500~519kg 複勝率35.7%・1勝 520kg以上 複勝率50.0%・1勝 そしてこのデータだけを見てしまうと「馬体重はシンザン記念の予想に関係ない」ように見えてしまうだろう。 だが、中身をみてみるとだいぶ状況が違ってくる。馬体重520kg以上で出走していた超重量級馬の成績【1-2-0-3】の内訳は下記のようになる。 2022年(良) ジャカランダ 576kg 15着 2021年(良) ピクシーナイト 536kg 1着 2020年(良) ルーツドール 520kg 7着 2018年(稍) ツヅミモン 540kg 2着 2018年(稍) ファストアプローチ 538kg 4着 2017年(重) タイセイスターリー 524kg 2着 このような感じで、良馬場以外なら2、4、2着と好走しており、1着だったピクシーナイトの2021年は良馬場ではあったものの、外が全く伸びないとよく回顧されていた年だった。ピクシーナイト自体は内を進んでいたとはいえ、外が極端に悪かったなかで、内が軽かったのかと言われるとそうでもないだろう。 つまり馬場状態がよくない年ならば、馬格を生かしてパワーでねじ伏せる馬が好走する可能性が高いということだ。現状、週末の京都競馬場は微妙な天候。もし馬場状態が悪化しそうなら狙いたい馬が今年はいる。 それは前走馬体重が522kgだったナイトスラッガーだ。前走の未勝利戦では道中3番手と前々からレースを進めて、上がりは最速の33.7、2位の34.4を0.7上回った。明らかにエンジンが違うところを見せつける快勝だった。馬場状態がよくても好走しそうではあるが、悪化してパワーが必要になればより優位に立てそうだ。 まとめると、当欄の馬券的にはフェリーニ、メイショウサチダケを単複で、ナイトスラッガーは馬場が悪ければアタマ狙い、良馬場でも馬券には絡めていく作戦を推奨したい。 <ライタープロフィール> 佐藤永記 20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
佐藤永記