「またか」町内に激震 福島県石川町長ら逮捕 自浄作用あるのか 18年前に贈収賄事件
▼午前10時ごろ 町が町議会正副議長に町長逮捕などを説明 ▼午後1時30分 町議会全員協議会を開催 ▼午後4時 町が臨時記者会見 ▼午後6時ごろ 町役場を家宅捜索 ■「金のうわさがあった」 「信じられない」。町民からは落胆と驚きの声が上がる一方、冷静に事態を受け止める住民もいた。 「聞く力、交渉する力、発信する力で町政運営に取り組む。人生を懸け、愛する古里を何とかしたい」。塩田容疑者は2018年に町長に就任し、町民と意見を交わす「町民と町長の対話の日」を設けるなど、住民に寄り添った姿勢を見せてきた。くしくも30日は午前10時から町民対話が予定されていたが、逮捕を受けて急きょ中止になった。 鈴木信夫後援会長(94)は「後援会長として町民に申し訳なく思う。4月中旬に後援会総会があったが、何も言われなかった」と明かした。高校の同級生だった男性(76)は「まじめな人だった。談合になんて手を出す感じではなかった」と下を向いた。町内の70代女性は「お金にまつわる良くないうわさがあった」と打ち明ける。会社経営の男性は「町に自浄作用はあるのか。石川のイメージダウンにつながってしまう」と憤った。
■3人の接点「分からない」 元土木会社2人 昨年7月に退社 塩田容疑者と共に逮捕された関根徳夫、添田保雄両容疑者の元勤務先である志賀建設(石川町)によると、同社の入札業務は両容疑者が取り仕切っていた。いずれも昨年7月、「年齢や本人の都合」を理由に退社した。 逮捕された3人を知る複数の町民によると、塩田容疑者と関根、添田両容疑者の間には、特に親密な様子はなかったという。町内の建設業関係者の一人は「接点は分からない。それほどの仲ではない」と話した。 記者会見で首藤副町長は、志賀建設の町発注工事の受注状況について「志賀建設のみが特に仕事を受注していたとは捉えていない」とした。逮捕容疑となった入札の落札率が98・6%だったことについては、比較的高いとの認識を示した上で「他の落札業者で同様の落札率もある。常に志賀建設の落札率が高いという認識を持っていたわけではない」と語った。 ■町役場を家宅捜索
石川町役場への家宅捜索では午後6時ごろ、段ボール箱などを持った捜査員約20人が庁舎に入った。入札事務を担当する総務課や町長室がある2階に向かい、捜索を進めた。 午後10時45分ごろ、捜索を終えた捜査員が庁舎から出て、関係資料などを収めたとみられる段ボール箱を車に積み込んだ。