パリ五輪閉幕も IOCが選手への誹謗中傷を非難...叱咤激励との境界は?為末大「2件ならいいけど、500件来たらやっぱりくる」 安藤美姫「選手もミスしたくて、ミスしていない」
■アスリートのメディアへの向き合い方
為末氏は「(パリオリンピックが終わった)今がアスリートの人生に影響を与える期間」との考えで、アスリートがメディアに出演する場合、メディアに消費される側、メディアを活用する側があるという。「テレビはパワーがすごい。空気もすごいから、よく分からないまま行って、なんとなく面白いことを期待されていると思うと、素直な選手ほど『面白くしなきゃ』みたいになる。それが、だんだん巻き込まれて漂い始めちゃうとまずい。初めて人気になった競技の選手は翻弄されることがあるから、何とかしてあげたい」と訴える。 メディアに消費されることによって、何のリスクが大きいのか。為末氏は「選手は応援している人たちに恩返しして生きていくが、数百万人に受ける振舞いと、数千人に受ける振舞いは全然違う。数千人と向き合っていたのに、急に数百万人の前で振舞ったら、『えっ、なんかそんな感じ?』みたいになる。マスメディアにはその魔力がある。今までとは全然違う世界で、それがうまくはまって人気になる人もいるけど、自分がどこから来て、どこに帰っていく人かが分からなくなっていくのが一番だろう」と答えた。 アスリートとメディアとの関係については「上手にやっていったらいいと思う。ゆっくり来てくれたらいいが、ドーンと一気に来た時、足元からさらわれていっちゃうかもしれない。それも含めて練習してきなさい、ということかもしれない」とした。 (『ABEMA Prime』より)