【親のジレンマ】新社会人になる大学生の我が子「正社員になりたくない」フリーランス志向に賛成すべき?
新卒でフリーランスになる際の注意点
ここでは、新卒からフリーランスになる際の注意点を確認していきましょう。 ●就労経験がないまま歳を重ねてしまうかもしれない フリーランスとして仕事を次々に獲得し、成果を上げられれば将来的にも独立して暮らせる可能性が高いでしょう。 あるいは、さまざまな仕事を経験できれば正社員に転身できるかもしれません。 しかし、4月からフリーランスデビューしたものの仕事を獲得できなければ、5月、6月、7月と時間ばかりが経ってしまうことになります。 この場合、新卒後、空白期間ができてしまい、就活で不利になることもあります。 ●会社員よりも将来受け取れる年金が少ない 会社員や公務員と比べて、フリーランスは年金受給額が低い傾向にあります。フリーランスは「国民年金」のみに加入するケースが多いため、受給額は「厚生年金」などにも加入できる人たちと比べて低くなります。 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金・国民年金の受給額の平均額は以下になります。 国民年金の約5万円で1カ月生計を立てるのはなかなか大変なことです。 一方、同調査における厚生年金の全体の平均年金の月額は14万3973円となっています。国民年金と厚生年金では受給額に3倍近い差があるといえます。 ●クレジットカードの審査や住宅ローンの審査で不利 大学を卒業し、自分で生計を立てられるようになったら、「クレジットカードをつくりたい」「住宅ローンを組みたい」といった思いも出てくるはずです。 しかし、フリーランスは不安定な雇用形態であることから、金融機関の審査において不利といわれています。 会社員の友人と同じ年収であっても、その友人は審査にパスし、自分は落ちてしまうということもありえます。
まとめにかえて
フリーランスには「自由度が高い」「自分のスキルや才能を存分に発揮できる」といったプラスのイメージもあります。 しかし、フリーランスには正社員では考えがたいデメリットがあることも忘れてはいけません。 大学を卒業し、フリーランスになるのも1つの選択かもしれません。しかし、フリーランスになってみたものの「仕事がない」「収入が突然途絶え、貯蓄もない」といった事態に陥る可能性もあります。 職種にもよるもののフリーランスは経験こそ財産。年齢が若い方が有利ということは多くないため、企業で働く経験を若いうちにしておくのも選択肢として検討してみるのもよいでしょう。
参考資料
・プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2023」 ・リクルートワークス「データで見る日本のフリーランス」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
西田 梨紗