松平健、熱望していた“復活” 時代劇の存続への思いも「今回の復活で若い方々に面白いと思ってもらえたら」<新・暴れん坊将軍>
松平健が主演を務める「暴れん坊将軍」シリーズの最新スペシャルとなるテレビ朝日ドラマプレミアム「新・暴れん坊将軍」(夜9:00-10:54、テレビ朝日系)が、1月4日(土)に放送される。このたび、放送に先がけ松平が囲み取材に出席。「暴れん坊将軍」シリーズの思い出や時代劇への思いを語ってもらった。 【写真】笑顔で2025年の目標を語る松平健 ■人気シリーズ「暴れん坊将軍」が17年ぶりに復活 同作は、1978年から2003年にかけて放送された大ヒット時代劇シリーズ。八代将軍・徳川吉宗(松平)が貧乏旗本の三男坊・徳田新之助、通称“新さん”として庶民の暮らしにまぎれながら、江戸にはびこる悪を討つ痛快時代劇だ。主演の松平はこの“吉宗”役で人気を不動のものにし、「松平=上様」のイメージを定着させた。 17年ぶりの復活となる今作は、監督・三池崇史×脚本・大森美香という最強クリエイターがタッグを組む。また、新キャストとして、吉宗の嫡男・家重を演じる西畑大吾をはじめとして、小澤征悦、藤間爽子、木村了、駒木根葵汰、内藤秀一郎、勝村政信、小野武彦、高島礼子、生瀬勝久など、豪華俳優陣が集結。さらに先日、GACKTの出演も発表されている。 ■芸能生活50周年での“上様”復活に「お祝いしてくださっているような気持ちに」 ーーまずは、オファーを受けたときのお気持ちを教えてください。 前々から「暴れん坊将軍」の復活を熱望していたので、「ぜひやりたいです」と即お返事しました。奇しくも今年は芸能生活50周年という節目だったので、皆さんが私をお祝いしてくださっているような気持ちになりましたね。 撮影がはじまって将軍の扮装をするとまったくブランクを感じず、すんなりと入ることができました。撮影所のスタッフはかなり若返っていて、女性の数も増えていましたが、昔からのなじみのスタッフもいたので大変やりやすかったです。 ーー熱望していたとのことですが、17年間、どんな思いでいらっしゃいましたか? シリーズが終了してからは、さまざまな役柄に挑戦させていただきましたが、一方で青年将軍のさわやかなイメージもどこかでずっと大事にしてきました。あれから17年経ち、時代劇がどんどん減って、いわゆる“ラスたち(=ラストの立ち回り)”がある時代劇はほとんど見なくなりましたが、「暴れん坊将軍」は今でも再放送を見るととても面白いので復活できたらいいなと思っていたんです。 実は先日、「暴れん坊将軍」のシリーズ初回を改めて見てみたのですが、やっぱり面白かったです。私の芝居は少々クサかったかもしれませんが…(笑)。 ■「暴れん坊将軍は、子どもの教育にもいいのではと昔から思っていた」 ーー最近、ポップアップストアができるなど、若い世代に「暴れん坊将軍」が受け入れられていますが、どのように受け止められていますか? 「マツケンサンバII」の影響でしょうか。びっくりはしましたが、若い方が興味を持ってくださって「暴れん坊将軍」という作品を知ってくださったのでしょう。おそらくその盛り上がりもあって復活が実現したと思うので、とてもありがたいなという思いです。 ーー時代劇が減少の一途をたどる中、時代劇の存続についてはどのようなお気持ちですか? 近年、映画では時代劇が多く公開されているようですが、別の角度からの時代劇が多く、昔ながらの完全懲悪な時代劇はあまりないですよね。私はこの「暴れん坊将軍」は、子どもの教育にもいいのではと昔から思っていたんです。悪いことをすると成敗されるので…(笑)。史実に沿った物語も描かれるので勉強にもなるし、今回の復活で若い方々が時代劇を面白いと思ってくれたら、こんなにうれしいことはないですね。 最近、真田広之さんが手がけた「SHOGUN 将軍」が海外で高い評価を受けましたが、世界が日本の時代劇に興味を持ってくれるのは大変喜ばしいこと。もっともっと時代劇が復活したらいいなと思っています。 ■暴れん坊将軍シリーズは「間違いなく私の代表作」 ーー「暴れん坊将軍」は四半世紀続いたシリーズですが、苦労したこと、うれしかったことを教えてください。 最初は悪役を含めてまわりがすべて先輩方なので、気を遣いっぱなしでしたね。新人なのに先輩を成敗したり、「頭が高い」なんて一喝しなくてはならなかったりで、恐縮しながら演じていました。カットがかかると、急いで先輩方にイスを差し出したものです。反対に、いちばんうれしかったのは初回が完成して試写室で見せていただいたとき。あの感動は今でも忘れられません。 ーーシリーズを通して松平さんが得たものは何でしょうか? スタート時は、私も初めて時代劇の主演を務めるため戸惑うことだらけでしたが、吉宗もまた、将軍職に就任したばかりで分からないしきたりも多かった。「暴れん坊将軍」はまさに、ともに歩みともに成長する形でできあがった作品。その後もさまざまな時代劇に出演させていただきましたが、間違いなく私の代表作ですね。 ーー多くの時代劇に出演されてきた松平さんから見た「暴れん坊将軍」の魅力を教えてください。 まず、将軍と貧乏旗本の三男坊という一人2役のような設定は、ほかの時代劇にはない大きな魅力ですよね。将軍には品格が必要ですし、所作も気をつけなければいけないことが多く、演じるにあたっては歌舞伎や昔の映画で必死に勉強しました。反対に、新之助として町に出ていくときは現代っぽい感じを出すよう演じ分けてきました。あとは、ラストの立ち回りは痛快そのものだと思います。 ■「懐かしさの中に西畑さんをはじめとする若いキャストの皆さんが新風を吹き込んでくれた」 ーー今回の「新・暴れん坊将軍」の見どころを教えてください。 今回の新作は、“その後の吉宗”というイメージです。初めて物語に吉宗の息子たちが登場し、今までにない“父親としての顔”も見せています。親子の確執や復讐劇が描かれ、将軍を狙う者も現れるなどさまざまな要素が盛り込まれ、とても見応えがあります。オープニングから立ち回りがあり、最後にまた大立ち回りがあるのも見どころです。 ーーこれまで「暴れん坊将軍」を見たことのない若い世代に楽しんでもらいたいところはどこでしょうか? 将軍・吉宗と、新之助として町に出たときの違いの面白さを楽しんでほしいですね。また、思いやりや人情など、日本人のよさもふんだんに描かれています。あとは、やっぱり立ち回りですね。最後はスッキリしていただけると思うので、若い世代の皆さんにも大いに共感してもらいたいです。 ーー昔からの「暴れん坊将軍」ファンの皆さんに感じてもらいたいことはありますか? それはもう、「帰って来た!」という懐かしさを感じていただきたいですね。白馬で海岸を駆けるオープニングは「暴れん坊将軍」の象徴ですが、今回新たに撮影しました。馬に乗って海岸を走るのは20年ぶりだったのでちょっと緊張しましたが、走りだしたらとても爽快でした。 そんな懐かしさの中に、西畑大吾さんをはじめとする若いキャストの皆さんが新風を吹き込んでくれているので必ずや楽しめると思います。 ーー最後に、2025年の目標を教えてください。 シンプルに“健康”ですね。また1年、健康で過ごせるように。どんな仕事もこなせるような身体でいたいので殺陣も乗馬もこなせるように体幹を鍛え続けていきます。