父に”ロンドン”の名は仕上がり早? 新種牡馬タワーオブロンドン産駒がまずまずの出だし
◇中央競馬記者コラム「ターフビジョン」 2024年も2歳戦が始まって早1カ月。億超えの素質馬が何頭も勝ち上がったり、新種牡馬ナダルが3勝の好スタートを切ったりと今年も話題に事欠かない。ただ、やはり新馬戦は馬券的にも難解。そんな中で的中のヒントになりそうなのが”ロンドン”の名を持つ2頭の種牡馬だ。 1頭目は新種牡馬のタワーオブロンドン。地方での勝利はあるが、JRAでは10頭がデビューして【0・4・0・8】。いまだに勝利はないが、複勝回収率は136%と人気以上に走る例が目立つ。母数が少ないためにまだ傾向はつかみきれないが、父譲りのスピードと前向きな気性で仕上がり早な印象。距離の融通は少し利きづらそうだが、父が主戦場としていた芝1400メートル以下の新馬戦で今後も穴をあけてくれそうだ。 2頭目は今年が3世代目のグレーターロンドン。これまで新馬戦では【7・3・3・27】と、産駒は決して多くないにもかかわらず、初戦から好走する馬が続出し、新馬戦の回収率は単複ともに100%超。既走馬相手の初出走でも今年はフォーチュンタイム、ピースワンデュック、ナムラブーニンがいずれも人気薄で連対。こちらは距離の幅が広く、傾向的にどんな時でも初戦で狙いたい種牡馬だ。 キズナ、エピファネイアが一歩リードとはいえ、まだまだ絶対的な種牡馬は不在。夏競馬も本番に突入し、馬券的にも難解なレースが続くが、新馬戦では2頭の”ロンドン”に注目しながら苦手な夏競馬を乗り切りたい。 (関俊彦)
中日スポーツ