銀座フェンディで「中国人観光客が店員に土下座強要?」 批判殺到の観光客よりも、会社側に反省点があるワケ
近年インバウンド需要が高まり、外国のお客様も増えています。日本人顧客のみならず、外国人顧客とトラブルに発展しないためにも、企業側の準備は必要です。 ■企業が「カスハラ」から従業員を守るために まず、カスハラの判断基準を明文化することが必要です。 明確にすることは、従業員と顧客がルールを共有することになります。具体的なカスハラの行為がわかれば、常識的なお客様であれば、気をつけようと思うはずです。 仮に外国人のお客様からのクレームが起きたときも、判断基準が明確であれば「これはカスハラではないか」とアンテナを立てることができます。それにより、通訳者からの説明、上司への速やかな報告、嫌がらせからの分離など、会社側として従業員を守るための適切な行動がとれるようになります。
業種・業態によって、提供サービスもお客様の層も変わってきます。自社のサービス、顧客層に照らして、カスハラの判断基準を明文化しておきましょう。 すでに航空業界では、ANAグループとJALグループが共同で「カスタマーハラスメントに対する方針」を策定しました。この方針では、長時間拘束やSNSでの誹謗中傷もカスハラに該当すると明記し、従業員への心のケアや対応に関する教育を実施しています。 この取り組みにより、従業員が安心して業務に従事できる環境が整備され、カスハラによるストレスが軽減されたと報告されています。
そして、コミュニケーションの齟齬を防ぐために視覚的サポートの活用も必須となるでしょう。 外国人とのコミュニケーションをサポートするものとして、話したい単語を相手に見せながら指をさしてもらうだけで会話ができるツールがあり、インバウンド向けに活用している企業も増えています。官公庁・自治体、公共交通機関、飲食系、販売系、宿泊系などさまざまです。 こうしたツールがあることで、通常の接客に加えて視覚的にも補うことができるので、通訳がいなくてもスムーズな対応が可能になります。インターネットで検索するとさまざまなツールが出てきますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。