大阪・人口最少の区が若者を呼ぶ「ものづくり」な施策とは
政令市では初?滞在型インターンシップで若者を呼ぶ
そこで、このPRをさらに加速すべく、今月またもやおそらく「日本初」の募集を始めた。それは「滞在型インターンシップ『ファクトリーステイin大正』」という新たな企画だ。 「これはおそらくですが、政令指定都市では日本初と思います」と近藤課長。「大正ものづくりプライド」を若者に体験したもらうだけでなく、区内にあるゲストハウスに実際に泊まってもらう「大正での生活」も体感してもらおうというものだ。 今回は計11社が受け入れに手をあげた。うち創業100年以上は3社、50年以上は6社で、鉄道車両関係部品や圧力計を作る工場、木材加工やペンキ塗りなど様々な業種があり、それらを「大正らしい系」「職人系」「現場系」「女性限定系」などに分けて募集している。また、企業だけでなく、区役所でもインターンを募集する。「よく区役所の業務も体験できないかという問い合わせも頂いてまして、公務員志望の方も多いんですよね。そこで、企業さんばかりにお願いするのは心苦しいので、われわれの街づくりも若者に体験していただければと思います」と総務課の大前孝則さん、神原博文さんは語る。 この募集要項をみると、今年8月と9月に5日間・10日間の就労体験コースが用意され、宿泊料金、保険料は「大正・港ものづくり事業実行委員会」が全額負担するという。対象は就労体験期間初日の時点で、年齢が20歳~29歳の男女となっている。
現時点、応募少なく。夏実施のため締め切りすぎても募集中
やはり、若者に自分のやりたい仕事を見つけてもらい、この大正区に住んでもらいたい。そして、人口減を食い止めたいという、内容をみても大正区あげてのイベントだ。 締め切りは5月1日となっており、近藤課長に「現時点の応募状況は?」と聞くと「それが、まだまだ空きがありまして」と苦笑。なかなか周知は難しいのが現実だ。 しかし「今回は『関西で働いてみたい』という方に、ぜひ来てもらいたいです。企業の皆さんも若い方が少なくて困っています。自分の好きなものを見つけ、充実した生活を、できたらこの大正区で送ってほしい」と近藤課長らは力強く語る。締め切りはもうすぐではあるが、インターン実施は夏のため、実際はまだまだ募集を受け付けるそうだ。詳細は大正区役所公式サイト、または同課・電06-4394-9683まで。 長年、大阪市内に住んでいる筆者も、正直、大正区の街の様子を詳しくは知らなかった。しかし、今回たまたま何度かポスターを見て、内容を知るに至った。やはり、こうした積み重ねが人を動かすのだろう。「大正ものづくりプライド」はどこまで浸透するかに注目だ。