53歳、思い切って東京のサロンに行ったら長年諦めていた「私にちょうど似合うヘアスタイル」が感動的に手に入った
お片付け作業のしんどさに、更年期症状が追い打ちをかけた
半ばを過ぎてみて振り返ると、私の更年期は45歳からみるみる体調が悪くなり、50歳で不調のピークを迎えるという、絵にかいたような波でした。45歳ごろ、ふと気づくと急激に物忘れがひどくなり、朝も起きられなくなりましたが、最初は更年期とは気づかず、ストレスか、自律神経失調かな?と片付けていましたが、だんだん身動きが取れなくなっていって。 もともとアトピー体質ではありましたが、みるみる間に皮膚の乾燥が悪化し、生理が減り始め、白髪が出始めて髪がきらりと銀色に光り出して、さらにイライラまでもが強くなったことで、これは更年期なんだなと受け入れる気持ちになりました。今は鍼灸に通って最低限の体調をキープしていますが、子宮筋腫を持っていて、乳がんも何度も再検査で、時限爆弾を抱えた状態です。 今日は髪のお話ですが、髪へのこだわりが強いわけではありません。むしろ逆でした。子どもをワンオペで育てている最中、浴室でもだっこを続けないと大泣きするのでだっこしっぱなしで入浴していた時期が長く、手を離してシャンプー・リンスを使えないのでやむにやまれず浴用石けんで身体と髪を一気に洗っていました。最初のうちは髪はギシギシ、肌もカピカピにで心もつらかったのですが、3か月ほどでなんと髪も肌もしっとり調うようになって。以降ずっと髪も顔も全身を石けんだけで洗っています。必然的にメイクも最低限の眉だけなので、ほかに身体で気分転換のために変えられるところがないというのが本音です。 私のこの髪へのこだわりの弱さは、よい美容院と巡り合えなかったことも原因だろうと思っています。移住先ではなんどもサロンを変え、いろいろオーダー方法も試しましたがうまくいかず、仕方ないのかなとあきらめていました。私が思った髪型に着地するのではなく「この年代に似合うのはこういう感じのスタイルですよ」と無難な髪を勝手に決められてしまう、それはそれでありなのですが、スタイルとしての満足感はまったくありません。完全に「散髪」ですし、こちらの言うことを聞いているという接客態度でもありません。でも、この年になると、ときどきパートに出る以外は特に誰に見せるわけでもなし。みんなきっとこんな感じなんだよな、とあきらめていました。 ですが、昨年の夏、何十回目かの「やっぱり思い通りにならなかった」地元でのヘアカットのあと、「そうだ、どうせ毎月新宿まで特急で行って乗り換えているのだから、新宿で切ってみるのも楽しみになるかも?」とふとひらめいたのです。これが私にとっては運命の1歩目でした。 前編では「次の1歩」に踏み出すまでを伺いました。つづく後編では「調べて見つけた東京のサロンで魔法にかかったように手に入るまで」をお伝えします。
オトナサローネ編集部 井一美穂