65歳でリタイアする夫婦「貯蓄・年金」が重要に。世間の平均額はいくら?最新統計から紐解く
65歳以上「リタイア世帯」の平均貯蓄額
同資料によると、65歳以上で無職の夫婦帯の平均貯蓄額は2504万円となりました。 65歳以上世帯の全体が2462万円だったので、これよりも高くなっていることがわかります。ちなみに、2019年の平均額は2218万円でした。過去5年で最高額となっています。 リタイアに向け、多くの貯蓄を頑張った世帯も含まれるでしょう。 では、どのような形で資産を保有しているのでしょうか。貯蓄といっても、銀行預金だけで行っている方は少ないと思います。 保有資産の内訳にも注目しましょう。 合計:2504万円 ・有価証券:480万円 ・生命保険など:413万円 ・定期性預貯金:846万円 ・通貨性預貯金:754万円 ・金融機関外:11万円 有価証券が480万円で、前年比+80万円となりました。他に比べて最も増えています。 次に増えたのが通貨性預貯金で754万円(前年比+55万円)ですが、一方で定期性預貯金は846万円(前年比▲19万円)と減少しています。 お金を保管するのは銀行、増やすのは有価証券…など、分散して備えている方も多いと推察できますね。 続いて重要になるのが年金です。特にリタイアする方は年金が唯一の収入源になるため、いくらあれば足りるのかシミュレーションが必要になります。 参考までに、今のシニアが受給する老齢年金額も見ておきましょう。
厚生年金と国民年金の月額はいくらか
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金と国民年金の平均的な年金月額を見ていきましょう。 ●国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額一覧 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ●厚生年金の平均受給額一覧 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む 2022年度末時点において、国民年金は5万6316円、厚生年金は14万3973円が平均的な受給額でした。 国民年金に関しては、著しい未納期間がなければ平均に近い受給額になると予想できます。 しかし、厚生年金は現役時代の収入や加入期間によって大きく異なるので、「平均並の金額がもらえるだろう」と考えるのは危険です。 例えば厚生労働省の試算によると、現役時代の収入ごとの年金目安額は以下のとおりです。 ・夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円 ・夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万000円:24万9777円 ・夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円 ・夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円 ・夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円 ・夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円 ・妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円 ・妻が報酬30万000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円 ・妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円 ・夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円 ・夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円 ・夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円 ・夫が32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円 ・妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円 ・妻が報酬30万000円+夫が国民年金のみ加入:20万494円 ・妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円 とはいえ、加入期間も大きな影響を与えることから、個人で目安を掴むのは難しいものです。 ねんきんネットやねんきん定期便などを活用し、できるだけ詳細にシミュレーションするようにしましょう。 では、最後に65歳以上のリアルな生活費はいくらなのか、平均月額やその内訳の金額まで見ていきましょう。