ただ、指示を出すだけではNG? 仕事を効率的にこなすための“企図の明示”を、元自衛官のぱやぱやくんが紹介! 元幹部自衛官が教える人間関係のサバイバル術
それに加えて必要になるのは、「やって欲しくないこと」を伝えることです。 というのも「誰にも求められていないことを、良かれと思って進める人」がいるパターンもよくあるからです。 もちろん善意で行ってくれているのは、よくわかります。 しかし、「それって必要ないよね」ということを熱心に進めてくれるタイプには「今は、それをやって欲しくない」とストレートに言うと「自分の努力を見てくれないのか!」と怒りだしてしまうケースがあります。 これは、はなさかじいさんで例えるのであれば、休憩のたびに「みんなのクワを磨く」「掘った穴の深さを計測する」「犬のマッサージを始める」というタイプです。 つまり「クワはすぐに汚れるから、磨く意味はない」と言ったとすれば「人の努力を認めないのか!」と怒り出す可能性があるということです。 とはいえ、指摘をしておかないと財宝が出たときに「犬のマッサージをしたから、分け前を増やして欲しい」と言い出す可能性だってあるのです。 もちろん、これらは無意味なことではありません。しかし、それよりもそのときに必要なことは「休憩で身体を休めること」です。 またこうしたケースの場合には、「いつもありがとう」と感謝を伝えることは重要です。 そのうえで、「まずは穴を掘って欲しい」と丁寧に伝えて、「あなたの力が必要なんです」と伝えるのがいいでしょう。 何も言わなくても「誰かがわかってくれる」と期待して行動しても、言葉にしないと多くの人は意外とわかってくれないものです。 また、お願いしたいことなどは、齟齬が生じないように、なるべく言葉にしておいたほうが、のちのちムダな労力を用いる必要がなくなったり、二度手間が生まれなかったりします。 「やって欲しいこと」「やって欲しくないこと」は明確にして、円滑なコミュニケーションを行えるようにしましょう。 (ぱやぱやくん) ぱやぱやくん/防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。名前の由来は、自衛隊時代に教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。著書に『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』(育鵬社)、『陸上自衛隊ますらお日記』『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』(以上、KADOKAWA)など。
ぱやぱやくん