独自に進化した、バンコクのコーヒー文化とは? いま話題沸騰中のカフェとともに紹介
ブレイブロースターズ
世界の豆を探求する、ライトローストの祖 まだタイで焙煎がビジネスとして確立されていなかった2013年、先陣を切って焙煎業をスタート。当時、濃く苦いダークローストが主流だったタイにおいて、フルーティで酸味の強いライトローストを提供して衝撃を与え、一気にバンコクのカフェシーンの流れを変えた。タイの豆も多く取り扱うが、コーヒーハンターを自負するオーナーのテイは、「常に世界中の稀少な豆を探している。国などの情報は考えず、それぞれの豆の味を純粋に楽しんでほしい」と語る。
ナナコーヒーロースターズ
こだわりの本格コーヒーを、果実やソーダで爽やかに ゆっくり滴り落ちるサイフォンを眺めつつ静かに知識を深められる「スローバー」と、純粋にコーヒーを楽しみたい人向けの「スピードバー」。ふたつの空間を設けて個々のニーズに応えているユニークなカフェ。国内外から約70種もの豆を取り揃え、スペシャルティコーヒーを存分に堪能できるほか、南国らしいフルーツやソーダをミックスした、見た目も味も華やかなアレンジコーヒーがここの真骨頂。暑さで火照った身体に一時の清涼感を与えてくれる。
アヤタナ
第六感を刺激する、アート性に満ちた新店 オーナーのひとり、ポンサパット‘オフ’アーナマナートが「自分を開放する」意味を込めて製作した、手から風船を手放すオブジェ『BE FREE』。この作品を象徴に据え、元銀行だった古い物件を改装。店内の家具はすべてタイやデンマークで見つけたセカンドハンドだ。「ヴィンテージはつくりが丈夫でデザインが繊細。食器も骨董市やSNSで見つけた。新品を求めるのは簡単だが、サステイナブルでないからね」。趣深い店内が第六感(=アヤタナ)に働きかける。
イム・アン・ヴィル
有名寺院に臨む、印刷所の面影残るカフェ かつて多くの出版社や印刷所が存在したというフアンナコーン通り。現在はカフェ& レストラン「イム・アン・ヴィル」として生まれ変わった築150年を超える物件も、もとは印刷所だった。古い建築物や文化を後世に残していきたいと願うオーナーの意向のもと、壁や天井などはなるべく手を加えず、元来のヴィンテージの風合いをそのまま活かしている。ペストリーシェフによる本格派のスイーツやコーヒーとともに、寺院を眺めながら当時の面影に想いを馳せたい。