伸銅品の24年度需要見通し6%増、68万トン。半導体関連向け下期回復見込む
来年度の伸銅品需要量は前年度比5・9%増の67万6700トンになりそうだ。日本伸銅協会が27日、需要見通しを発表した。自動車関連が堅調に推移するほか、半導体関連は下期の回復見込む。エアコン向けは工期遅延の影響が続くものの、設備投資の持ち直しにより例年水準まで復調すると予測。住宅設備関連も部品在庫の調整終了や堅調なリフォーム需要に支えられて前年を上回る水準となる見通しだ。 品目別では、銅条が6%増の25万1200トン、黄銅条が2・4%増の8万5200トン、青銅板条が19・5%増の2万3300トン。自動車用端子・コネクター向けが一部完成車メーカーの操業停止などにより前半停滞するとみられる一方、下期は増加基調で推移すると予想。今年度低調だった半導体関連は在庫調整や中国市場の低迷により少なくとも夏場以降の回復を見込む。民生用コネクター向けは中国景気の低調による需要低迷に加え、デジタル機器や家電での在庫調整長期化から下期以降まで振るわない状況が続くとの見方が強い。 銅管は10・7%増の8万1900トン。家庭用エアコン向けが平年並み水準へと回復する。円安による国内生産回帰も追い風となりそうだ。業務用エアコン向けは大型物件の案件増加、インバウンド需要による建築需要拡大により引き合いが強まると見る。 黄銅棒は3・9%増の15万700トン。部品在庫の調整終了、堅調なリフォーム需要、自動車関連の需要回復が寄与する。ガス機器や水栓金具、バルブ関連は新規住宅着工の低調により、下期からの小幅な増加にとどまると見込む。