布製タイヤチェーンって実際どうなの? イッセ・スノーソックスにあれこれ尋ねてみた! 【大阪オートメッセ2024】
「クラシック」、「スーパー」、「トラック」を用意
梅の花はぼちぼち咲いてきてはいるものの、まだまだ雪予報が突発的にやってくる2月後半からの季節。雪慣れしていない都市部ほど雪に弱いのは色々な報道でご存じのとおり。 【写真】注目のスノーソックスの表面は近くで見るとこうなっている! ここ数年来、市場を席巻して認知度もますます高まってきたイッセ・スノーソックスが大阪オートメッセ2024に初出展した。ブースを実際に訪れて、そのチャンキーな手触りを初めて確かめてみたという人も少なくないだろう。イッセはいわゆる布製スノーチェーンの代表格で、スペインはバルセロナのメーカーだ。いかにも雪の少なそうな南欧だが、繊維業が盛んという背景がある。 「大阪には初めて出展したのですが、やはりクルマを大事にされている方が多いので、従来の金属製チェーンに比べてボディを傷つけにくいイッセ・スノーソックの注目度は高いと感じましたね。なかには、購入したけどまだ雪が降らないんだよ、という方もいました」。 とはいえ、それは正しい使い方でもある。ゴム製チェーンとも違って、ポリエステル製で経年変化による劣化・性能低下がほとんどないイッセ・スノーソックは、クルマのトランクに冬の間、常備しておいても軽量だし嵩張らないし、逆にオフシーズンに家のなかでも場所を選ばない。現在、プロダクトは3つのモデルが展開している。赤くてバランスの取れた性能を発揮する「クラシック」と、耐久性をはじめ制動力やグリップ力を高めた「スーパー」、そして大型車向けの「トラック」がある。 後2者はほとんどサイズ展開だけの違いだが、前2者の違いはポリエステル生地の厚さや仕様そのものにあり、触ってみると白い「スーパー」のほうがゴワッとした手触りを返してくる。
メインユーザーは都市部のドライバー
乗用車モデルはいずれも6サイズ展開で、国産も輸入車もほとんどすべてのモデルに対応できる。ちなみに日本の軽自動車や燃費重視の普通車など、トレッド面のとくに細い国産車用に、日本仕様モデルは小さい側の2サイズがやや狭く作られているそう。 いずれトレッド面が覆われてさえいれば、従来型のスノーチェーンより装着はごくごく簡単で手軽といえる。EVやPHEVのようにジャッキアップが難しいか、ほとんど不可能な車重であっても、少し車体を前後させるだけで履ける利便性、そしてスノーチェーンとして規制時も通用する使い勝手は見逃せない。 「クラシックとスーパーの違いは、耐久性やパフォーマンスもそうですが、価格面でも後者は+40~50%ほどしますので、それこそ雪道で乗られる頻度次第だと思います。スキーなど冬のレジャーで毎週末のように必要ならスーパー、都市部で雪に備えるだけであればクラシックでしょうね」。 雪に完全に覆われきらないパッチのような路面での走行にも、ある程度は耐えられるが、推奨はしないという。 「本社の実験ではドライ路面で40km/hで数十km走っても大丈夫だったという実証動画はありますので、通常の使い方なら問題ないと思います。やはり雪道を走る頻度によって選んでいただくのが一番で、メインユーザーは都市部のドライバーの方々が多いです。スタッドレスを春先まで履くような雪国ではまだまだですが、実際に脱出用に携帯されている方も少しずつ、浸透しています。それでもまだ、従来型のスノーチェーンほど確立されたプロダクトでないことは確かですから、今回のようにリアルでプロダクトに触れてもらう機会はいいですね」。 それでは春先まで油断なきよう、今からでも冬支度は遅くない!
南陽一浩