大島紬で仕事始め 地場産業振興にも意欲示す 鹿児島県大島支庁
地元の伝統工芸品である本場奄美大島紬をアピールしようと、鹿児島県奄美市名瀬の県大島支庁では6日、希望した職員たちが大島紬姿で仕事に臨んだ。伝統的な泥染や草木染に龍郷柄、白大島などさまざまな染色、デザインの紬をまとい、庁舎は新年らしい華やかな雰囲気に包まれた。 職員による大島紬着用は地元産業への理解を深めるとともに、紬振興につなげる目的で毎年1月上旬に実施している。この日は希望者32人が本場奄美大島紬の着物を着用し、庁舎内で記念写真も撮影した。 母から借りた大島紬に初めて袖を通したという健康企画課の瀬戸口芽依さん(23)は、「さらさらして着やすい。人によって柄や色が異なり、職場も新鮮な雰囲気で仕事ができる」と笑顔を見せた。 5日の奄美市合同年始会で初めて紬を着用したという松藤啓介支庁長は「軽くて暖かく、背筋が伸びる感じがして気持ちが引き締まる」と着心地を語り、本場奄美大島紬の振興に向け「着る機会を増やして、売れる体制をつくる。従事者の人材不足を解消する支援ができれば」と意欲を示した。 職員らは記念撮影後、着物姿のまま業務へ。背筋を伸ばし、晴れやかな笑顔で来庁者らを迎えていた。