トランプ氏の機密持ち出し事件は終局に 高裁が控訴取り消しを容認
米連邦控訴裁(高裁)は26日、トランプ次期大統領が第1次政権の退任時に機密文書を自宅へ持ち出した事件を巡り、検察側の控訴取り消しを容認した。特別検察官の任命手続きが違法だったとして公訴を棄却した1審判決が確定し、事件は終局となる。 事件を担当するスミス特別検察官は25日、トランプ氏が2025年1月に次期大統領に就任することを受けて、「現職大統領は起訴しない」との司法省の原則に基づき、起訴を取り下げる方針を裁判所に伝達していた。 連邦地裁は今年7月にスミス氏の任命手続きが違法だとして公訴棄却の判断を示し、検察側が控訴していたが、スミス氏はこの控訴の取り消しも申請した。 トランプ氏は21年1月に大統領を退任した際、ホワイトハウスで保管していた機密文書を南部フロリダ州の自宅に持ち出した。国立公文書記録管理局や司法当局が文書の提出を求めた後も、一部の文書を保持。スパイ防止法違反(国防情報の不当保持)などの罪で起訴されていた。 あわせて起訴された自宅の管理人や付き人の裁判は続くが、トランプ氏が大統領就任後にこれらの裁判手続きを終わらせる可能性もある。【ワシントン秋山信一】