10社に1社が「猛暑」で売り上げアップ~意外な商品・サービスにも波及!?~
2024年も記録的な猛暑が続いており、しばらくは災害級の暑さが続くことが予想される。 帝国データバンクが7月に実施した「TDB景気動向調査」では、猛暑による外出控えで商品・サービスの動きが停滞している企業がみられた一方で、エアコンや飲料などの季節需要の拡大などによりプラスの影響を受けている企業も複数あり、猛暑による経済効果が表れている。 そこで帝国データバンクは、猛暑で売り上げが伸びた商品・サービスおよび企業の猛暑対策についてアンケートを行った。
猛暑で売り上げが伸びた商品・サービスがある企業は11.4%
自社が手がける商品・サービスのなかで、2024年の猛暑をきっかけに売り上げが伸びたものはあるか尋ねたところ、「ある」が11.4%で、「ない」が80.5%となった。
猛暑で特にエアコン・空調設備が好調。「ガソリン」「オンライン教室」など意外なところにも効果
売り上げが伸びた具体的な商品・サービスは、「エアコン」販売や「空調設備工事」などを含む『エアコン・空調設備関連』が最も多くあがっていた。 「清涼飲料水」や「アイスクリームの包装資材」などの『食品関連』も、その原料や包装資材から最終製品、さらにスーパーなどで使用される「氷購入専用コイン」まで幅広い商品で売り上げを伸ばした。 また、「ファン付きウェア」や「タオル」「夏物衣料」などの『衣類関連』ほか、「冷却グッズ」などの『熱中症対策関連』商品の好調さや、「熱中症診察」収入が増えたケースもみられた。 ほかにも猛暑で車移動が増え、カーエアコン使用時間・頻度の増加による「カーエアコン修理」収入や、燃費の悪化による「ガソリン」の売り上げの増加もあげられた。 夏休みを迎え、「プール殺菌消毒剤」や「屋外プール宿泊プラン」など『レジャー・宿泊関連』が好調なケースがみられた。一方で、外出控えで「オンラインセミナー」「オンライン教室」収入のほか、「室内遊びのゲーム・ジグソーパズル」の売り上げが伸びた企業もあった。
企業の約9割が猛暑対策を実施。暑さ対策グッズの支給やクールビズ、設備・備品の充実も上位に
今年の猛暑を受けて、自社で行っている対策(検討含む)について尋ねたところ、「健康状態の把握」(47.9%)が5割近くでトップとなった(複数回答、以下同)。 次いで「水分・塩分補給品や冷却商品の支給」(46.1%)、「クールビズの実践(制服や作業服の変更などを含む)」(44.0%)、「扇風機やサーキュレーターの活用」(43.3%)も4割台だった。 一方で、「休憩時間の追加・延長」(12.3%)や「臨時的な休暇の設定」(4.3%)など稼働時間関連のほか、「時差出勤やフレックスタイム制の導入」(4.7%)および「リモートワークの強化」(3.7%)といった柔軟な働き方の推進を行っている企業の割合は低水準となっている。 総じて何らかの対策を行っている企業は89.7%と約9割にのぼった。