「“陰キャ”とつき合うな――」…念願の「有名私立中学」に合格した中学生男子を待ち受けていた「ヤバすぎる学校生活」
有名私学で起きたいじめ
どんなに時代が進み、社会が変わろうとも、いじめはなくらないようだ――。 「それは、いいポケモンですか、それとも悪いポケモンですか?」 【画像】「持ち家か賃貸か」論争…ついに「正解」がわかった! 港町・神戸。地元民の間では、今でも医師や歯科医師の子が数多く通っているといわれている長年の伝統を誇る有名私学、そこの中学校に通う生徒が昨年12月からずっとクラスの同級生から酷いいじめを受けていた。 最初こそ「ハゲ、デブ、ノロマ」と大勢ではしゃぐ。からかい行為だけでまだ済んだものの、次第にその内容はエスカレート。眼鏡や傘、腕時計を隠し捨てられる。「臭い」「肌が汚い」「ばい菌」と大勢で囃し立てられるといった世間でいういじめへと発展していく。 とくに今年4月に2年生に進級してからは、トイレの個室や階段下といった人気のないところにいじめグループ複数人に連れ込まれ、取り押さえられた挙句、その複数人から代わるがわる、拳で殴られる、いわゆるグーパンチで腹部を殴打されるようになった。 少ないときで数回、酷い時には数十回にも及んだという。この暴力行為は進級してからの4月以降、学校への登校が困難となった5月半ばまで常習化する。そしてこの5月に入ってからはいじめは幼稚さも増す。いじめ加害側の言葉では「墨入れ」という、マジックで顔や制服に落書きをするといった行為が頻繁に行われた。 冒頭で紹介した「ポケモン」の話は、制服にポケモンの落書きをされた生徒の保護者が、学校に事の次第を報告した際、学年のまとめ役である教諭から最初に言われた言葉だ。 「最初、先生は何を仰っているのか意味がわかりませんでした。いいポケモンでも悪いポケモンでも、制服に落書きすることは悪いことでしょうと申し上げたのですが、先生方にはまったくわかって頂けませんでした……」 昨年来からの酷いいじめを受けていた生徒、その名前を仮にイクミ君(14)とする。小学校時代から進学塾に通っていたイクミ君はこの有名私学のなかでも、とくに学業優秀な生徒が集まるクラスで学ぶことを許された俊秀だ。中学1年生の入学時から目標は地元の名門、神戸大学への進学という希望を持っている。 もっともこれは夢物語ではない。中高一貫校のここで6年間頑張れば、大学進学を目指す関西の受験生の言葉でいう“京阪神”――京都大学、大阪大学、神戸大学への進学も頑張れば射程圏内に入る。私立大学なら関関同立と呼ばれる関西の有力私大への進学も目指せる。その次のランキングである産近甲龍は堅いというのが、受験界隈からのもっぱらの評判だ。