18年ぶり宝塚記念開催、京都の芝コースを歩いてみた… 10週連続開催中で直線部分に傷みも、馬場造園課の尽力で最善の準備進む
京都競馬場は阪神のリニューアル工事によって10週連続のロングラン開催中。そんな酷使された中で18年ぶりの開催となる宝塚記念を迎える。昨年のオープンから約1年2カ月。今の京都の芝はどんな状態か。百聞は一見にしかずと、実際に芝コースを歩いてみた。 Cコースで行われた週に(現在はDコース)取材へ。内ラチ沿いを歩いて少しびっくり。歩きづらい! 特に直線のゴール前。芝がめくれた部分に足を取られると運動不足の記者はよろけるレベル。開催が進むとこんなに歩きづらいのか。小畑篤史馬場造園課長は「見た目には傷んでいるように伝わるもしれませんが、開催が進んだなりに馬場は保てていると思います。その証拠に向正面やコーナー部分ではジョッキーが内を空けて走るシーンは見られないですから」と説明。 開催が進んだ分の傷みはある。特に記者が歩きづらかったのはスタンド前の直線部分。向正面は内をロスなく進めて、直線は外へ。これが宝塚記念を制する、正解への道かもしれない。 ただ、ここまでは天候が良好だった時の話。時季的に雨なら馬場は急変する。20日時点で土曜から日曜の京都は雨予報。1月の京都開催で馬場が悪化し、芝がめくれ上がったのも悪天候の影響だった。 「今の気温ならあっという間に馬場は乾きます。問題は降雨のタイミング。開催日や開催前日だと急変してしまいます。特に今回は長く使ってきた馬場ですから雨が降ってしまえば一気に悪化します。そこは祈るしかない」と小畑課長。 宝塚記念の京都開催はディープインパクトが勝った2006年以来。95年にはライスシャワーが3コーナー手前で落馬、予後不良になる悲劇の事故もあった。 「通常は6月に京都開催を行うことはありません。例年なら秋へ向けて芝を養生しているころですが、阪神のリニューアル工事によって今年は京都の開催が増えます。とにかく事故のないよう。ジョッキーの方々とも意見交換しながら少しでも馬に負担にならない馬場になるよう心掛けています」と小畑課長。 コースを歩いてスプリンクラーや排水などさまざまな仕組みも知った。それはすべて安全に競馬を開催するため。荒れ気味には見える芝。でも”荒れている”ではなく”荒れ気味”なのは、馬場造園課の尽力があるからにほかならない。過密開催であっても出来うる最善の準備をして宝塚記念を迎える。
中日スポーツ