米10年債利回りは「妥当」な水準、カーブスティープ化-エラリアン氏
(ブルームバーグ): 米10年債利回りは4.25%前後が2024年の「妥当な」平均値だと、モハメド・エラリアン氏はみている。
19-20日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)会合後、2年債と10年債の利回り差で見たイールドカーブは急激にスティープ化した。その後、こうした動きは失速した。
エラリアン氏は22日にブルームバーグテレビジョンで、「債券市場は利回りカーブがようやくスティープ化すると認識しつつある」と発言。「高めのインフレを当面は受け入れることになるが、インフレは十分に安定したものになると理解しつつある」と述べた。
長期債の利回りが短期債の利回りを上回る、正常な状態への回帰は今のところ実現していないが、目前に迫っているとの見方を示した。同氏はケンブリッジ大学クイーンズカレッジの学長で、ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストも務める。
FOMCは同会合で、2024年の利下げについて0.25ポイントを3回という従来予想を据え置いた。一方で25年については、最近見られるインフレの上振れを踏まえて予想する利下げの回数を減らした。
FOMC、今年予想する利下げ回数3回で維持-2025年予想は減少 (3)
今回の会合から得た重要なポイントは、世界各国・地域の中央銀行がインフレについて、一つの数値(点)ではなくレンジを目標とし始める可能性があるという見方だと、エラリアン氏は指摘。米金融当局の場合、それはインフレが2-3%に落ち着くことを目指すということかもしれないと話した。
「われわれは今週について、中央銀行がインフレ目標を一つの数値からレンジに変更した週としてこの先振り返ることになるだろう」と同氏。「ある時点でインフレ期待が不安定化しかねないため、リスクを伴わないわけではないが、これは正しい動きだ。マクロパラダイムが変わってしまったためだ」と続けた。
原題:El-Erian Says 10-Year Note Yields ‘Reasonable’ as Curve Steepens(抜粋)