巨人・阿部慎之助監督が愛のシゴキ 豪州ウインターリーグに旅立つ秋広優人にノックの雨
愛のシゴキだ! 巨人・阿部慎之助監督(45)が3日、川崎市のジャイアンツ球場で行われている秋季練習で身長2メートルの大砲、秋広優人内野手(22)を過酷なノックでいじめ抜いた。7日からオーストラリアでのウインターリーグに旅立つ左打者へ、恒例となってきた〝愛のムチ〟を入れた。 【写真】阿部慎之助監督が愛のシゴキ…秋広優人にノックを放った もはや、お決まりとなってきた。阿部監督は自らノックバットを握り、若手外野手たちへ打球を放つ。視線の先で「うわぁ~!」と悲鳴を上げて転んでいるのは秋広だ。 「いや~、久々っすね。懐かしい感じ。久々に愛を感じました」。身長2メートルの大砲は汗まみれの顔に天然芝をつけたまま感謝を口にした。指揮官がつい〝かわいがり〟をしたくなる愛嬌(あいきょう)が、この男の魅力だ。 約2000人の観客がスタンドを埋め、阿部監督の計らいにより、子供連れの来場者がグラウンド内で見学した。ノックではオコエや浅野の好捕以上に、秋広と阿部監督の〝熱戦〟がファンの目をくぎ付けにした。右へ左へ走り、飛び込んでもギリギリで捕れない…。春季キャンプでも繰り広げられた光景が、秋晴れのジャイアンツ球場で再現された。 期待の裏返しであることは言うまでもない。阿部監督は昨季10本塁打でブレークした左打者に対し「すごい選手になる可能性を秘めている」と素質を見込んでいるからこそ、あえて厳しく接し、シーズンでは何度もチャンスを与えた。だが秋広は出場26試合、打率・261、0本塁打と応えられなかった。 秋広は7日から京本、山田の両投手とともにオーストラリアでのウインターリーグへ向かう。「打つことを求められている選手だと思うので、重点的にやりたい。投手の違い、野球の違いに対応していくために頑張りたい」と、真剣な表情で意気込んだ。 一方、阿部監督は「異国の地に行って自立してやらなくちゃいけないから、人生勉強にはなる。いい勉強をしてきてほしい」とグラウンド内外での成長を厳命した。オフも休まず修行だ。(谷川直之)