リクルートのスキマバイト「エリクラ」のひどすぎる実態 「マンション清掃43分、836円」うたい文句の罠
特殊な生い立ちの影響からか、独立心が旺盛だったキヨシさん。高校時代から工事現場や飲食店、清掃などあらゆるアルバイトをしてお金を貯めると、卒業と同時に親元を離れた。20歳直前に大手芸能事務所に飛び込み、コンサート会場の設営の仕事からスタート。才覚を認められ、早々に有名バンドなどのマネジメント業務を任されるようになった。 その後は環境保全プロジェクトにかかわるアーティストを支えるために早稲田大学に入学し、専門知識を身に付けた。同じころに芸能関係者の間で評判のよかった施術の仕事も始め、現在はそれを本業としている。
「私自身は若いころにいろんなアルバイトをしたので、清掃やゴミ分別の仕事に恥ずかしさや、抵抗感はまったくありません。でも、誰もがやりたがらない、大変な作業だということも知っています。言葉は悪いですが、昔は『底辺の仕事』だからこそ、報酬や給料は高めだったと思うんです。スキマバイトを使えば管理会社の社員に任せるよりも割安なのでしょうが、こうした仕事をあんな金額でやらせるシステムがあることにショックを受けました」
キヨシさんはリクルート側にはエリクラを通して改善を求めたという。「今後のサービス改善の参考とさせていただきます」といった旨の返信は来たが、キヨシさんに言わせると「『ご意見は承りました』という範囲を出ない回答でした」。 一方のリクルート広報は取材に対し、メールでおおむね次のように回答した。 所定の時間内に作業が終わらないという指摘があることに対しては「お仕事の提供元企業さまには、内容や対価などの具体的条件について正確な情報を提供するよう求めています。ユーザーさまからのご指摘については事実確認し、改善が必要な場合は適宜企業側と協議いたします」。時間や報酬額については「お仕事の提供元企業さまが決定しています。エリクラ側はその検討材料として業務と物件の大きさに応じた目安時間や参考料金を提示しています」とした。