リタイアを選択した中上貴晶選手、リアからの振動には危険を感じるほど【MotoGP第19戦マレーシアGP】
グリップ不足に加えて挙動まで発生
MotoGPクラスにフル参戦する唯一の日本人ライダー、中上貴晶選手(イデミツ・ホンダLCR)は第19戦マレーシアGPの週末、リアのグリップ不足とリアからの振動に苦しむことになりました。 【画像】2024年シーズンのMotoGPクラスに臨む中上選手を見る(6枚)
マレーシアGPでは、すでにタイGPなどでルカ・マリーニ選手(レプソル・ホンダ・チーム)やジョアン・ミル選手(レプソル・ホンダ・チーム)が使用していたエキゾーストが中上選手にも投入されました。もちろん、良いフィーリングもありました。ただ、中上選手は初日から「コーナー立ち上がりでのリアのグリップ不足」を訴えます。これは、現在のホンダがずっと抱え続ける改善点です。 土曜日の予選Q1では8番手、18番グリッドとなりました。そして、18番手からスタートしたスプリントレースでは、「リアからの振動」にも苦しむことになります。中上選手は17位でスプリントレースを終えました。 「スプリントではスタート直後からリアからの振動がひどく、振動でほとんどちゃんと走れませんでした」と、中上選手はMotoGP.comのインタビューで語っています。 「リアからの振動」は、日曜日の決勝レースでも中上選手を苦しめました。レースを続けることに危険を感じた中上選手は15周目にピットインを選択し、リタイアでレースを終えました。
「全体的に厳しい週末になりました。とても残念です」と、中上選手はMotoGP.comのインタビューで述べました。 「(リアからの振動は)スタートして数周はなんとか耐えることができるレベルではあったものの、どんどんひどくなってしまいました。危険を感じるほどの振動の大きさだったんです。残念ではありますけど、リタイアしないといけないほどの挙動の大きさでした」 リタイアを選択しなければならなかったほどのリアからの振動について、その原因は究明中ということでした。中上選手は「時間がかかるとは思う」とも語っています。 中上選手にとって、フル参戦ライダーとしてのレースは、残すところ最終戦のみです。最後のレースとなる最終戦を、少しでも良い形で締めくくりたいところでしょう。 次戦、2024年シーズン最終戦となる第20戦は、当初、スペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで11月15日から17日にかけて行なわれる予定でしたが、10月29日に発生した大規模な洪水被害により、バレンシアGP開催の中止が発表されました。 代替として、同日程でスペインのバルセロナ・カタルーニャ・サーキットでの開催が検討されています。
伊藤英里