ピーク遅れる「京都の紅葉」…ツアー客は例年より少な目?叡山鉄道はライトアップを延長 観光協会は『観光客の分散』に期待
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秋の行楽シーズンで賑わいを増す京都・嵐山。この紅葉の時期は、春の桜以上に多くの観光客が訪れる大切な“稼ぎ時”なんですが… (観光客)「(Q今年の紅葉は?)まだちょっと早い。いまいちだね」 (観光客)「もうちょっと赤くなってるかなと思ったけど、ちょっと期待外れ」 (観光客)「写真になると緑が強く見える」 今年は残暑などが影響し、紅葉のピークが例年の11月中旬より遅れているのです。嵐山のメインストリートは、平日にもかかわらず賑わっているように見えますが。周辺の店に聞くと… (店舗関係者)「去年と比べると…まぁなんか(観光客は)少ないかなという印象。やっぱり売り上げはちょっと響いています」 和菓子店「胡月」でも 紅葉の遅れの影響が売り上げに響いてきているそうです。例年、11月は売り上げが好調だと言いますが… (胡月・広報 鳥飼優介さん)「前年と比べると、(売り上げは)現在6割ほどの状況です。(紅葉の)ツアーの中止もあると聞いていますので、嵐山の観光客が全体的に少ないかなと思いますね」 京都の紅葉の名所を巡る国内客向けのツアーを販売する京阪バスによりますと、今年は2割ほどツアー客が減っているといいます。 (京阪バス 植垣かおり課長)「この時期になりますと、去年は(ツアー客が)1日600人を超えるというのが通常でしたが、今年はちょっと少な目になっておりますね…。まだまだ予約ができます」 11月22日のツアーはほぼ満席となりましたが、紅葉の遅れがツアーの予約数にも影響していると言います。 ツアーが訪れたのは、もみじの名所「永観堂」。ここ数日、ぐっと冷え込み、ようやく色づき始めたといいますが、ツアー参加者に話を聞くと… 「ちょっと差が激しいような。濃いところとまだこれからっていうところの」 「でも散っていくときより、これからという時の方がいいかも」 「やっぱり夏が暑かったせいか、色味はちょっと残念。ただ、また来年来る楽しみが増えた感じ」 “遅れてきた紅葉”も1つの思い出になりそうです。 影響は「鉄道」にも。線路沿いの紅葉を楽しむため、多くの観光客で賑わう叡山電鉄。出町柳駅から鞍馬駅までを結ぶ路線の途中に約280本のもみじの木に囲まれた『もみじのトンネル』があります。紅葉の期間には午後4時半から午後9時ごろまでライトアップされます。今年も車内は、例年と変わらない賑わいですが… (記者リポート)「例年、きれいにライトアップされたもみじが見られる叡山電鉄ですが、今年はまだ多くの葉が青いように見えます」 (乗客)「きれいだったんですけど、まだもう少し…色づいてないところもあった」 (乗客)「もうちょと赤くなってきてからもう一回見に来たいなと思います」 (乗客)「もしかしたら少し早かったかも。全体が赤くなかった」 『まだ例年の半分程度』という紅葉。そこで、叡山鉄道は当初、11月24日で終了予定だったライトアップを… (叡山電鉄 傘谷龍永さん)「様子を毎日チェックしながらやってきましたが、このまま行くと、24日以降も紅葉が落ちずに色づきを十分楽しんでいただけると判断して、延長を決めました」 遅れている紅葉を逆に“商機”と捉え、ライトアップ期間を延長することに。 (叡山電鉄 傘谷龍永さん)「これから土曜日曜、それ以降の平日からでもまだまだ色づいていくと思います。今後も色づき具合を叡山電車で楽しんでいただけたらと思っています」 京都市観光協会も、この紅葉の遅れがかえって“観光客の分散化”を促すのでは、と前向きに捉えています。 (京都市観光協会・企画推進課 堀江卓矢さん)「インバウンドの場合、半年、1年以上前から旅行を計画し、すでに予約されている方が多い。一方で近場に住む日本人のお客様を中心に、(国内は)旅行の計画をぎりぎりまで変えられる。ここまで(紅葉が)遅れるのは私も初めてですが、色づきの情報を調べて時期を選ぶことができますので、そういった形で来ていただければ、穴場や比較的人の少ない状態で紅葉を楽しんでいただけると思います」 京都の紅葉はこれから12月上旬ごろまでが本番。遅れてきたぶん、楽しみも『ひとしお』です。
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