〈13億円〉→〈7億円〉に買い叩かれるケースも…売り手企業が「大損しない」ために必ず知っておきたい〈買い手企業〉の選び方【M&Aのプロが助言】
顧客の利益を優先して交渉支援をする「M&A仲介サービス」。しかしながら、このサービスを利用し、「仲介会社」や「買い手企業」からの提案に応じる形で事業売却を進めることが、売り手企業が事業売却で失敗してしまう大きな要因となっているという現状があります。M&Aを検討する際に、売り手側が留意すべき重要なポイントを、オーナーズ株式会社代表取締役社長の作田隆吉氏が、詳しく解説します。 【年齢別にみる】大卒コンサル業「給与の推移」…大企業/中小企業<令和4年賃金構造基本統計調査>
特定の買い手の提案に飛びつかず、買い手は比較して決める
オーナー経営者の手元にM&A仲介会社から届く、たくさんのダイレクトメールのうちの大多数は、買い手の存在を示唆する内容でしょう。「貴社“のような”事業に」「関心を示す“可能性がある”企業がいる」といった記載がある場合、具体的には、貴社の買収を希望している買い手が存在しないと考えられ、飛びつくには値しない情報といえます。 一方で、「具体的に貴社との資本提携に関心がある企業がいる」ので一度会ってほしい、というアプローチがM&A仲介会社からあった場合、買い手の存在を偽ってはならないことを定める、M&A仲介協会の倫理規則に反していない限り、実際に買い手がいるのかもしれません。あるいは、買い手から直接事業売却の打診があったのであれば、買い手がその企業に一定の関心を持っていると考えられます。 そして、こうした打診があると、オーナー経営者としては、「自社を買いたいといってくる会社はどんなところだろうか」「なぜうちのような会社に関心を持ってくれているのだろうか」と、気になることでしょう。 最近では、「完全成功報酬」を謳ったM&A仲介会社も増えてきているため、会ってみて気に入らなければ辞めればいい、とオーナー経営者が気軽に買い手と会いやすい環境になってきている現状があります。しかし、仲介会社や買い手からの提案に応じて、事業売却を進めることが、売り手が事業売却で失敗する大きな要因となっています。 ここからは、オーナー経営者が、このような買い手の打診に乗る形で、事業売却を進めることへの具体的なリスクについて、解説していきます。
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