作家は真新しい語り口に揺さぶられ、詩壇は概してこの人気者に冷たかった…谷川俊太郎さん評伝
今春、共著「詩人なんて呼ばれて」に新たな章を加えるため、東京・阿佐ヶ谷の自宅で対話した。宇宙の知的生命体の話題となり、「二十億光年の孤独」のように「ネリリし キルルし ハララしているか」、もうすぐわかりますね。彼らの言葉も生活もやはり人類の大きな関心事だった――そう言うと、「大げさな題名をつけたのは、正しかった」と微笑した。
生涯に創作した詩は2500編以上ともいう。泉は最期まで枯れなかった。(本社元編集委員、文芸評論家 尾崎真理子)