プロ野球選手「億単位の年俸」を得ていても貯金がたまらない理由
高卒でドラフト指名された選手が、契約金が入ったとたんにスポーツカーを買って、隣に女の子を乗せて、仲間の家に見せびらかしに来た、みたいな話は今でもちょくちょく聞く。 少し前まで高校生だった選手に、大人の金銭感覚を求めるのは無理な話なのだ。その点、社会人野球からプロ入りした選手は、しっかりしたプランを持っていることが多い。 神奈川大学、日立製作所を経て25歳でロッテに入りクローザーとして活躍した荻野忠寛氏は「高卒の選手は、どこへ行くのもタクシーを使っていましたが、僕は、急に生活が派手になるのが嫌なので、極力電車を使うようにしていました」と語ったが、どこかのタイミングで「大人」が堅実な人生設計を教えないといけないのだ。
■プロ入りすると「資産運用しませんか」と近づいてくる 取材に同席した田中大貴氏が語る。 「プロ入りすると、どこのだれかわからない人が近づいてきて、資産運用しませんか、と持ちかけてくることがある。父親母親の知り合いで、みたいな感じで。でもふたを開けてみたら、お金なくなってしまいました、という話も多いんですよ」 もともと、Japan Asset Managementは主として富裕層を顧客としてきた。堀江代表は「弊社は一言で言えば、資産運用のコンサルティング会社です。証券、保険、不動産などの販売を通じてお客様のお金の悩みを解決していくのがビジネスの根幹です。弊社の収入は、平たく言うと、各商品を販売した際に得られる手数料収入です。創業からずっと経営者や医師、地主さんなどの富裕層がメインのお客様だったのですが、少しずつスポーツ選手の顧客が増えてきました」と話す。
スポーツ選手の顧客に特徴はあるのだろうか? 「皆さんの想像以上に、お金に対するリテラシーが低い方が多いと思います。先ほどの選手もそうですが、多額の年俸を貰っているのに、貯金すら全然ない方が多くて、もっと早くにお目にかかっていたらお役に立てたんじゃないかとよく思いますね」 ■Jリーグのクラブで金融教育を実施 野球以外のスポーツ選手の顧客も多い? 「弊社にはサッカー部出身の社員もいまして、その横のつながりからJリーグクラブにアプローチして、いろんなチームで金融教育をやりました。そのご縁で、サッカー選手が多いです。名前は出せないのですが、2019年にクラブでお話ししたのがきっかけで、当時のオリンピック代表世代のトップ選手が僕らの思いを共感してくれて、積み立てNISAを始めました。