箱根駅伝予選会は「過去最悪のコンディション」 結果を残せた要因は?
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走大会(通称:箱根駅伝)予選会は10月19日、東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地を9時35分にスタート、国営昭和記念公園にフィニッシュするハーフマラソンコース(21.0975km)で行われ、43大学から509人が出走しました。 10時時点で24.2℃まで気温が上がり、テレビ解説を務めた神奈川大学の大後栄治総監督が「過去最悪のコンディションでは」と話したレースでは、通過校の選手を含む10人が途中棄権やタイムオーバーでの失格に。予選会突破のボーダーラインとなる総合タイムも、距離がハーフマラソンになった2018年以降では最も下がりました。 また、10位で通過した順天堂大学と、11位で敗退した東京農業大学のタイム差は史上最少タイとなる1秒でした。暑さの影響から失速する選手が多くいた中で、本大会の出場権を獲得できた要因は何だったのか、通過校の指導者たちに話を聞きました。
1位通過の立教大学・高林祐介監督は「5km15分20秒という目安のタイムは設けていましたが、かなり暑かったのでしっかり水分をとるように言って、自滅しないように、レースの流れや自分のコンディションを考えて走るようにと、セルフマネジメントしてもらいました」と話します。 2位の専修大学・五ヶ谷宏司コーチも「今年は4月から走行距離を増やしました。また、夏合宿での距離走は涼しい午後ではなく、あえて暑い9時35分スタート(予選会と同時刻)で行いました。そういった成果がこの条件で発揮できたと思います」と振り返りました。 また、立教大学のほか、3位の山梨学院大学、8位の東京国際大学、9位の神奈川大学はそれぞれ指導者が交代してから初めての予選会でした。 東京国際大学の中村祐太ヘッドコーチは「予選会は終盤にアップダウンがあるので、コースを何度も下見して終盤に起伏のあるコースでロング走をしたり、残り3kmや1kmでペースを上げる練習を取り入れてきました。常々『一人でも箱根駅伝の21kmから23kmを走り切れるようにならなければいけない』と、自分の走りをコントロールすることを指導してきました」と語り、神奈川大学の中野剛監督も「昨年は20kmからゴールまでのタイムが予選会を通過した大学の中で最下位。今回は『(スパートするのは)18kmまで待て』と指示しました」と、ともにレース終盤で失速しないことをポイントに挙げていました。