【フライパンで作るローストビーフ】失敗なし!絶妙な火入れでしっとりやわらか。濃厚ソースも絶品
【作り方】
(1)牛肉を常温で30分ほど置く 今回は国産の牛もも肉(塊)を使用。牛肉は焼く前に常温で30分ほど置きます。 「牛肉はサシがたくさん入っていると脂っぽく、赤身だけだとパサパサ硬い……。うっすら軽くサシが入っている国産牛がローストビーフにはおすすめです」 (2)漬けだれを作っておく 密封できる保存袋に漬けだれを作ります。保存袋に、にんにく、しょうゆ、赤ワイン、ローリエを入れ、全体をなじませておきましょう。 (3)牛肉を焼く フライパンにオリーブオイルを熱し、牛肉の全面に焼き色がつくよう強火でこんがりと焼きます。 「焼き色をつける時は、肉を動かさないのがポイント。肉をこまめに動かすとフライパンの温度が下がってしまうので、動かすのは1つの面で1回くらい。フライパンに牛肉を入れたら動かさず、一面ずつじっくりと焼いていきます。今回は焼いた後、たれに漬けるので、牛肉に塩・こしょうはしなくてOKですよ」 (4)漬けだれに牛肉を入れ、真空状態にする 漬けだれの中に焼いた牛肉を入れます。そのまま口を閉めずに保存袋ごとゆっくり水の中に入れると、水圧で自然と空気が抜けていきます。空気が抜けきったら、しっかり口を閉じてください。 「水圧を利用すると、簡単に真空に近い状態にできます。空気がしっかり抜けるので、ボイルする時に保存袋が浮きにくくなり、さらに牛肉に味もしっかり染み込みます」 (5)牛肉を熱湯に入れて25分置く 鍋で2Lの湯を沸かします。火から鍋をおろし、牛肉を保存袋ごと湯の中に入れます。浮いてこないように、上に皿などをのせてください。この状態でふたをして、そのまま25分置きます。 (6)牛肉を常温で25分置く 25分経ったら湯から牛肉を取り出し、そのまま常温で25分置きます。 「ボイルした時間と同じだけ、常温で休ませてください。これでちょうどよい火入れ具合になります」 (7)ソースを作る 今回のソースは、牛肉を漬け込んだたれを煮詰めて濃厚なソースに仕上げます。 保存袋からローリエを取り出し、小鍋に漬けだれを入れます。赤ワインが入っているので、加熱した時に火が立たないよう、弱火で半量になるまで5分ほど煮詰めます。ソースが半量くらいになったら、仕上げに強火にして1分ほど煮詰めましょう。 バターを入れて火を止めてから、鍋をゆすってバターを溶かします。味見をして、必要なら塩・こしょうで味を調えてください。これでソースの完成です! 「弱火で5分ほど加熱したらアルコールは飛んでいるので、最後は強火にして大丈夫です。バターを入れてからも加熱すると分離してしまうので、バターを入れたら火を止めてくださいね」 (8)牛肉を切る 牛肉はよく切れる包丁を使ってできるだけ薄く切ってください。 (9)できあがり! 皿に盛り付けたら、好みでクレソンを添え、ソースをかけていただきましょう! 中心部は絶妙な赤色! なんとも美しいローストビーフが登場すると、スタッフ一同、思わず「おおっ!」と歓声をあげてしまいました。ローストビーフって、出てきた瞬間にみんなのテンションが上がる感じがたまりませんよね! 1枚食べるとしっとりやわらかくて、噛むほどに肉汁がジュワッ、ジュワッ。全然パサパサしておらず、お肉の火加減が絶妙です。そしてこのソースがまた最高! バターが濃厚で、でもその奥に気付かない程度にほんのりしょうゆの風味があって、日本人好みの牛肉に合うソース。そして、あっという間になくなってしまいました……。 「ソースにしょうゆが入っているので、好みでわさびを入れると、より引き締まった味わいのソースになります。大人っぽい味になるので、ぜひそちらもおすすめです!」 ホムパや家族が集まる時などに気合いを入れて作るローストビーフだからこそ、失敗なく作りたいもの。実際に作り方を見てみると、意外とシンプルな作業の連続であることに改めて気付きました。小野さんのポイントを守れば、これなら家庭でもお店の味を再現できそうです。 もうすぐクリスマス。さらに、お正月にもぴったりなローストビーフ。ぜひハレの日のごちそうに作ってみてはいかがでしょうか? 取材・文/岸綾香
小野宗隆
東京都千駄ヶ谷にあるイタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。提携農家の産直有機野菜や無農薬野菜、地元から直送される父親が釣り上げた魚介類、鹿や熊のジビエなど、鮮度のよい食材にこだわる。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの料理動画『プロが教える本格パスタレシピ』も大人気。
小野宗隆