悪質クレーマーを駆除した佐竹敬久・秋田県知事に全上司が学びたいこと
佐竹知事は自分が矢面に立って、秋田県のクマ被害がいかに深刻か、無責任な抗議電話のせいで職員たちがどれだけ疲弊しているかを伝えてくれました。「最高の上司」という声も上がっていますが、どんな組織においても、すべての「上司」はかくありたいもの。トップがこう言ってくれたら、職員は安心して悪質なクレームをはねつけられます。 しかし、世の多くの上司は、自分が矢面に立つ覚悟はありません。業種に関わらず、いわゆる「カスハラ」が後を絶たないのは、間違った意味で「お客様は神様」と思っている人が多いせいもあります。それ以上に一部の困った客が付け上がる要因は、上司なりトップなりが、面倒を避けるために客の無茶なワガママを聞いてしまうから。つまりは従業員を守ることは二の次で、自分の保身を優先させる上司が多いからです。
部下のやる気と組織の活力を引き出す3つのノウハウ
「上司」や「トップ」の立場にある人は、佐竹知事の言動を通して「人の上に立つものとしての心得」を学びましょう。すぐに実践できる3つのノウハウを考えてみました。 その1「理不尽なクレームは相手にしなくていいし、迷惑なだけの客は『客と思わなくていい』というスタンスを折に触れて強調する」 その2「実際に可能かどうかはさておき、『面倒な事態が起きたときは自分が対処する。何があっても君たちを守る』と部下に宣言する」 その3「(今後のクマ対策として、ドローンを使ってクマに爆発物を食べさせるのはどうかと話した佐竹知事のように)ちょっと荒唐無稽なアイディアを真顔で話す」 その1を実行すれば、部下に安心感を与えられます。善良な客に対しては、結果的に今以上に丁寧な接し方ができるようになるでしょう。その2の決意表明は、部下からの信頼を得る第一歩。自分自身もあらためて上司としての自覚を持つことができます。 いっぽうで、頼もしくて正しい言動を心がけているだけでは、部下に親近感を持ってもらえません。その3のように「この人、なに言い出すんだ!?」とツッコミたくなる発言をすることで、部下との距離はグッと縮まるでしょう。ただ、佐竹知事のように天然の荒唐無稽さじゃないと、狙ってしまったらその効果は台無しになります。さあ、これらをさっそく実行して、部下のやる気と組織の活力を引き出しましょう。 19日の朝には岩手県花巻市でも、小学校の校舎内にクマが侵入しました。北海道をはじめ全国各地で、クマの目撃情報が大量に報告されています。クマの被害と悪質なクレームの被害が、一日も早くなくなりますように。
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