内山氏とメイウェザー“合体”でKO賞金マッチ開催
「内山高志presents KNOCK OUT DYNAMITE賞金マッチトーナメント」の開催が29日、都内にあるTMTジャパンの事務所で発表された。4階級(53キロ、56キロ、60キロ、65キロ)に、それぞれ4選手が参加する5ラウンド制のトーナメント。10月19日に後楽園で1回戦を行い、決勝は来年1月を予定。KOラウンドに応じて賞金が出て、優勝者には50万円。キックや総合格闘技などに押され気味のボクシング界の人気挽回のためにボクシング興行会社の「DANGAN」が企画し、元WBA世界スーパーフェザー級王者、内山高志(39)に大会アンバサダーとしての協力を仰いだもの。無敗の元5階級世界王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(42、米国)が、カジノ開業に備え日本に立ち上げた会社のTMTジャパンが全面バックアップ。来年以降は、月に一度のワンマッチ興行に発展させていく計画で、メイウェザー推薦選手の参戦も検討されており、今後の展開へ期待が膨らむ。
ボクシング人気挽回が企画意図
「オレが一番と自信のある選手に集まってもらいたい」 現役時代、世界王座の11連続KO防衛を果たすなど「KOダイナマイト」の異名を取った内山氏が、その名が冠についた賞金KOトーナメントの開催に向けて声をあげた。 「山中慎介バンタム級トーナメント」の1回戦を大成功に終わらせた「DANGAN」が再び仕掛けた5ラウンド制のKOトーナメント。A級ボクサーを対象に公募するが、KO決着がテーマで1ラウンドKOから5ラウンドKOまで順に20万、15万、10万、5万、3万の賞金が出る。5ラウンド制にしたのはKO決着を促すため。有力選手が集まりやすくするため契約ウエイトにして体重区分も広げた。もし公募で枠が埋まらないときは、フィリピン、タイ、韓国、中国から「強いボクサーを呼んでくる」という。 内山氏も「5ラウンドだと、初っ端からガンガン打ちに行く。手数の多い試合になるしKO率が高くなる」と期待を寄せる。 元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏は、自らの冠大会に特別賞として時計をプレゼントすることを決めたが、内山氏も「ゴッドレフト(山中)がいらないことするから(笑)僕も何か出す。面白い試合をした選手、見込みのある選手に内山賞を」と発表した。 今回の賞金KOマッチが企画された意図には、大晦日にメイウェザーとボクシングルールによるエキシビションマッチを戦い世界的に名を上げた那須川天心のブームに代表されるようにK-1、RISE、RIZINといった格闘技に押され気味のボクシング界の人気挽回を図りたいというものがある。DANGANの瀬端幸男会長も「井上尚弥、村田諒太、井岡一翔と出てきてボクシングが盛り上がりつつあるが、もっとボクシングの魅力を広げたい。それにはやっぱりKO。格闘技はKO決着が多いし演出もうまい。僕らもできるだけ派手にやりたいし、人気挽回の先頭に立ちたい」と企画意図を説明した。 若者に人気のキックや総合格闘技は、KOシーンが魅力。また会場も派手にショーアップされている。危機感を持ったボクシング界が考えた対抗手段が、このKO企画。 内山も、そこに危機感を抱いていて、今回の企画が起爆剤になればと考えている。 「前から、今いちボクシング人気が出ないと感じている。一般人がまず見ない。K-1やRIZINのチケット取れない?と聞かれることは多いが、ボクシングのチケット取れる?とは誰も言ってこない。そこは寂しい。ボクシングを初めて見にきて面白くないなと思って帰る人をなくしたい。面白かったと、記憶に残り、また次も見に行きたいと思ってもらわないと」 瀬端会長は、この企画を単発で終わらせず、来年は、月一のワンマッチ興行として継続させ、11、12月には大田区総合体育館でビッグイベントも計画する考えを明らかにした。