FRB利下げにはもっとデータが必要-メスター、コリンズ両総裁
(ブルームバーグ): 米クリーブランド連銀のメスター総裁とボストン連銀のコリンズ総裁は21日、インフレ鈍化のさらなる証拠を待って忍耐強くある必要性を強調し、政策金利をより長くより高く維持するとのメッセージをあらためて表明した。
両総裁はアトランタ連銀のボスティック総裁が司会を務めたパネル討論会で発言したもので、このうちメスター総裁は、利下げの前に「インフレ率が鈍化しつつあることを示すデータをあと数カ月分」目にしたい意向を示した。
またコリンズ総裁は、物価上昇圧力が2%の当局目標に向けて落ち着きつつあるとの証拠をさらに確認したい考えを示唆した。アトランタ連銀がフロリダ州アメリア島で開催した金融市場会議の一環として討論会が行われた。
コリンズ総裁は「現在は忍耐が非常に重要な意味を持つ局面だ。データは強弱が高度に入り交じっている」とし、物価抑制には「私が以前想定したよりも時間がかかるだろう」と語った。同時に、現行の政策が今後さらに景気抑制効果を発揮する可能性があるとの考えも示した。
米金融当局者は4月の消費者物価指数(CPI)のうち変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が半年ぶりに前月比で鈍化したことを歓迎している。
その一方で幾人かの当局者は、二十数年ぶりの高水準に据え置いている政策金利の引き下げに先立ち、インフレ率が持続的に2%の物価目標に向かっていることを示す一段の証拠が必要だと強調している。
ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事は21日、CNBCとのインタビューで、良好な内容のインフレ統計がさらに数カ月続けば、金融当局として年内に利下げの検討が可能になるとの認識を示した。
ウォラーFRB理事、インフレ良好に推移なら年末の利下げ検討可能
ボスティック総裁は21日の早い時点で、当局の政策は景気抑制的であり、インフレ率のゆっくりとした鈍化が続くとの見解をあらためて表明していた。
ボスティック、メスター両総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ一方、コリンズ総裁は今年の投票権メンバーではない。