働く学生「給料明細を毎回出す」扶養控除受ける親からは「何しているんだよ」 103万円の壁は見直しへ【news23】
小川彩佳キャスター: 103万円は1か月で換算すると8万5000円ほどになります。学生にとってこの額、どうなのでしょうか。 トラウデン直美さん: まさに大学生の友達にも働きすぎて、働き控えをしている子がいます。周りの話を聞いていると、勉強をしながら時間をやりくりしてバイトしている子でも、超えてしまう額なのかなと思います。 各家庭で差はあれど、子どもが働ける分が増えて自分で使えるお金が増えたら、親からの援助も少なくて済むともいえるので、むしろ働ける額が増えた方がいいのではないかと思います。 小川キャスター: 取材の中でも「120万円くらいあったら」という声もありましたが、このラインをどう見ていますか。 塚越菜々子さん: 月に8万5000円という金額は、お小遣いだとしたら十分な金額ではないかなとも思う一方で、学生が一人暮らしをして、生活費や学費を少しを払っていたりする場合は、足りないと感じる方も多くいるのではないかなというのが現状ですよね。 藤森キャスター: 物価も上がっていますし、皆さん事情はさまざまだと思います。 ■「働き控え」「税収減」 壁どう見直す? 藤森キャスター: 「103万円の壁」の議論については財源が大きなポイントになっています。その中で、親の特定扶養控除の基準額を上げればいいのではないかという考え方があります。 大和総研・是枝氏の分析によると、現在103万円の壁を超えて働いてる学生がそもそも少ないので、税収が減るということは生じないのではないかということです。 一方、誰でも一律に控除が受けられる基礎控除について、壁を178万円に引き上げてしまうと、税収減が7~8兆円になるという影響の大きさがあるので、特定扶養控除に限って壁を引き上げればいいのではないかということです。 塚越菜々子さん: 特定扶養控除を上げても税収に影響はありません。学生に限って103万円を178万円に上げたとしても、これとは別に130万円の壁という社会保険の問題が出てくることには違いありませんので、行けても130万円ぐらいにはなってしまうのかなと思います。 特定扶養控除であれば、さほど税収に影響は出ないと思いますが、適用されるのは基本的に学生(19歳~22歳)に限られます。全ての方の手取りを増やすという意味では効果はなくなってしまうので、それで良いのかという問題もあります。