丸広百貨店上尾店が業態変更へ 百貨店の営業を終了し、テナント形式のショッピングセンターに 近隣にイオンモールなど競合 来店客の減少や顧客の高齢化など要因
埼玉県上尾市の丸広百貨店上尾店(同市宮本町)が今秋、百貨店としての営業を終了し、公共施設を含むテナント形式のショッピングセンター「(仮称)まるひろ上尾SC」に生まれ変わる。同店が昨年12月にホームページで発表し、店頭に「まるひろ上尾店業態変更のお知らせ」を掲示した。5月中旬には現状での営業を停止し、店舗の改装に入る。再オープンは8月末の予定。 店頭に掲示されている業態変更のお知らせなど【写真3枚】
同店によると、新型コロナウイルスの影響で通常の営業ができなくなった中、近隣にイオンモールなど競合店が開業し、来客数が減少したことやメイン顧客の高齢化などが要因。近年は「友の会」優待や全国各地の物産展などで集客に力を入れてきたが、目標には届かなかったという。 丸広上尾店は、1992年に開業。建物は地上7階、地下1階。敷地面積は8120平方メートルで、店舗面積は約2万平方メートル。2017年以降、5階に家具インテリア用品店「ニトリ」、4階に百円ショップ「ダイソー」、手芸用品店「ユザワヤ」などが入っており、百貨店は地下1階と1~3階になっている。現在、レストランや催事場がある6階フロアには、市立中央図書館の一部機能が設置されることで上尾市と大筋で合意している。 今後のスケジュールは、2月16日に地下1階の食料品売り場をいったん休止。5月以降、1~3階の店舗を順次テナント化していく。目標数は70社。同店では「若い人にも利用される店舗の誘致をしていきたい」としている。
駅からデッキで直結している2階出入り口に張られたお知らせを見ていた市内在住の男性(72)は「時代の流れだね。百貨店という名称がなくなるのは寂しいけど仕方ない。面白いもの、いいものを提供してくれればいい。どう変わるか楽しみ」と語った。1階の正面玄関から買い物を済ませて出てきた女性(60代)は「ここの食料品が良かったので、どんなお店に変わるのかちょっと心配」と複雑な心情を吐露していた。