生産量9万1千トン超見込む 奄美群島のトップ切り製糖開 沖永良部島の南栄糖業
鹿児島県沖永良部島の南栄糖業(武吉治社長)が2日、奄美群島の大型製糖工場のトップを切って24~25年期の製糖を始めた。同社の今期のサトウキビ生産見込み量は11月1日現在、9万1531トンで、前期実績比4948トンの増収を予想。この日は同社工場で搬入出発式と安全祈願の神事があり、関係機関、生産者、製糖関係者ら約100人が参加。安全操業へ決意を新たにした。 沖永良部さとうきび生産対策本部によると、町別の生産見込みは和泊3万8196トン、知名5万3335トン。収穫面積は前期比87・20ヘクタール増の1786・58ヘクタール(和泊752・64ヘクタール、知名1033・94ヘクタール)で過去最高となる見込み。10アール当たりの収量(単収)は5・123トン。ほ場ブリックスは16・23度で平年を下回っている。 搬入出発式で同対策本部の山下元達本部長は「今期絶対に事故を起こさない、起こさせない。焦りがあると事故につながる。心にゆとりを持って作業を行ってほしい。製糖終了が皆さんのにこやかな顔で迎えられるよう願う」と呼び掛けた。 武社長は多くの人に知られている歌「えらぶ百合の花」の歌詞を紹介し、「先人は歌にサトウキビの大切さを込め語り継いできた。おかげで今日があると思っている。安定、安全を確保しながら一丸となって行っていきたい」とあいさつした。 原料の搬入は年内が26日まで。年明けは1月7日から圧搾を再開し、搬入終了は4月6日を予定している。