トランプ完勝! もしトラが現実になって自動車業界はどう変わる?
メキシコでのメーカー別生産台数を見ると、GMが72万2631台、日産が61万5751台、フォルクスワーゲンが52万4348台で2023年のトップ3を形成。以下、ステランティス46万7542台、フォード36万5365台、トヨタ25万15台、ヒョンデ・キア25万6000台、マツダ20万2506台、ホンダ16万7249台、BMW11万7462台、メルセデス・ベンツ6万7846台と続きます。ジャパンブランドでヤバそうなのは依然として日産だけか?
どんぶり勘定でも280万台がメキシコから押し寄せてくる計算になりますので、その三割でも米国内での生産、工場稼働率が上がり、さらに投資も進めば雇用が増えます。無論、所得水準が戻れば内需が高まり好循環。既存の産業だけでも米国経済は十分に回復していくのです。
期待値は未知数ながら、新政権発足後はRVCの解釈変更が少しは見込めるかもしれません。なんせ最大の支援者のひとり、イーロン・マスクさん率いるテスラのギガファクトリーがメキシコで本格稼働するのですから。ただし、USMCAは折り込み済みでしょうから過度な期待をもつべきではないでしょう。
欧州のかじ取りは依然としてBEV傾倒といった感じですが、アメリカの今後はどうなるでしょうか。私は意外とバランスよく、トヨタじゃないけれど全方位戦略で行くと予想します。だって、自由の国ですから。一方、エネルギー価格の高騰でいまやドイツ経済は傾き、もはや戦争を支持する体力はありません。
件の暗殺未遂事件後にトランプさんは「共和党支持者、民主党支持者、無党派、すべての米国人の大統領になる」と宣言。ロバート・F・ケネディJr.やトゥルシー・ギャバードをもトランプ支援にまわり勝利を獲得しました。ただし、この先も事件は起こるでしょうが、なんとか突き抜けて欲しいと思います。そして日本車の活躍も。ではまた! Text:Seiichi Norishige 国際貿易局(米国商務省)
教重 誠一